【大レポ】RLC回路の特性測定
はじめに
「RLC回路の特性測定」のレポートを掲載します。
注意
※レポートの丸写しはやめてください。
※レポートの内容があっていると限りません
レポート
1.実験目的
RR、RL、RC回路において、全体の電圧とR2の電圧の波長の違いを確認してインピータンスを理解する。また、積分回路と微分回路の過渡応答を確認し、特性測定を行う。そして、時定数と遮断周波数を確認すし、RLC回路を通じて、共振周波数や共振曲線を理解する。
2.原理
2.1インピータンス
交流回路に電流を流した時にその電流の流れにくさを表している。主に、電流を流れにくくしているのは、抵抗R、キャパシタC(コンデンサ)やインダクタL(コイル)である。このCやLの値は、角周波数ωに依存していて、1/ωC、ωLと表されることができる。これらのような交流回路に生まれた全体の抵抗をZ[Ω]と表すことができ、インピータンスであると考えることができる。この抵抗は、オームの法則を用いて交流回路全体の電流と電圧をI,Vとして導くと、Z=V/Iと表すことができる。抵抗、コンデンサ、コイルのインピータンスを表すと
抵抗 Z=R
コンデンサ Z=jωL
コイル Z = 1/jωC
電圧をv(t)、電流をi(t)としたときに、コンデンサとコイルは、時間の微分積分で表すことができる。
コンデンサ v(t) = 1/C ∫▒i(t)dt
コイル v(t) = L (di(t))/dt
2.2オームの法則
電圧をV、電流をI、抵抗をZとして表すと、V=RI と表すことができる。
2.3過渡現象と周波数特性
2種類のCR回路を図1に示す。
CR回路には、2つの種類がある。この2つの種類の回路によってそれぞれ出力電圧が異なる。このことを考えるために図1の回路を用いて電圧、電流を定義して考えていく。
(ⅰ)図1(a)のCR回路の場合
vc+vout = vin
電気量をQ(t)とおくと
vc= (Q(t))/C = 1/C ∫▒i(t)dt vout=Ri
よって
1/C ∫▒i(t)dt + Ri = vin ・・・①
初期条件として、Q(t)=0、vin= 0として、t=0の時に、vin が0[v]からVin[v]に変わるとする。
①の両辺をtで微分すると、
(i(t))/C + R(di(t))/dt = 0
(di(t))/(i(t))=-dt/CR
両辺を積分する。(積分定数をAとする。)
logi=-t/CR+A
i=e^(-t/CR+A)
初期条件よりt=0の時、i(t)=Vin/R であるので、
Vin/R=e^A
よって
i=V_in/R e^(-t/CR)
求める電圧は、vout=R・i=vine^(-t/CR) ・・・②
次に遮断周波数を求める
各周波数をωとすると、キルヒホッフの法則より、vinとvoutを求めると、図1の(a)より
vin = (R-j/ωC)I
vout=RI
電圧の入力比は、
|v_out/v_(in ) |=R/|R-j/ωC| =R/√(R^2+1/〖(ωC)〗^2 )=1/√(1+1/〖(ωRC)〗^2 )
遮断周波数は、電圧の出入力比が 1/√2 になる 1/〖(ωRC)〗^2 =1 の時なので、角周波数はω=1/RC となる。
遮断周波数は、f=ω/2π=1/2πRC となる。
また、時定数は、τ=1/ω=RCとなる。
この時の②の出力電圧と時間の図を簡易的に図2で示す。
図2に示した通りに、voutはこのような図になる。そして、t=0の時の電圧の最大値から曲線に接線を引いた線と出力電圧が0[V]の時の水平線との交点の時間が時定数の値になる。時定数の時間の出力電圧は、最大電圧の約37%になるというのもわかる。
(ⅱ)図1(b)のCR回路の場合
vout+vR = vin
電気量をQ(t)とおくと
vout= (Q(t))/C = 1/C ∫▒i(t)dt vR=Ri
よって
1/C ∫▒i(t)dt + Ri = vin ・・・①
初期条件として、Q(t)=0、vin= 0として、t=0の時に、vin が0[v]からVin[v]に変わるとする。
①の両辺をtで微分すると、
(i(t))/C + R(di(t))/dt = 0
(di(t))/(i(t))=-dt/CR
両辺を積分する。(積分定数をAとする。)
logi=-t/CR+A
i=e^(-t/CR+A)
初期条件よりt=0の時、i(t)=Vin/R であるので、
Vin/R=e^A
よって
i=Vin/R e^(-t/CR)
この値をvoutに代入すると、
v_out=1/C ∫0^t▒〖V_in/R e^(-t/CR) dt〗=V_in/CR [-CR(e^(-t/CR))]_0^t=V_in (1-e^(-t/CR))・・・③ 次に遮断周波数を求める 各周波数をωとすると、キルヒホッフの法則より、vinとvoutを求めると、図1の(a)より vin = (R-j/ωC)I vout=RI 電圧の入力比は、 |v_out/v(in ) |=|-j/ωC|/|R-j/ωC| =(1/ωC)/√(R^2+1/〖(ωC)〗^2 )=1/√(1+〖(ωRC)〗^2 )
遮断周波数は、電圧の出入力比が 1/√2 になる 〖(ωRC)〗^2=1 の時なので、角周波数はω=1/RC となる。
遮断周波数は、f=ω/2π=1/2πRC となる。
また、時定数は、τ=1/ω=RCとなる。
この時の③の出力電圧と時間の図を簡易的に図3で示す。
図3に示した通りに、voutはこのような図になる。そして、t=0の時の電圧の最大値から曲線に接線を引いた線と出力電圧がVin[V]の時の水平線との交点の時間が時定数の値になる。時定数の時間の出力電圧は、最大電圧の約63%になるというのもわかる。
2.4ハイパスフィルタとローパスフィルタ[1][2]
ハイパスフィルタとは、ある周波数より低い帯域の信号を通さず、高周波を良く通すフィルター回路の事であるこれは、CR回路であることが、2.3の(i)にある図2から読み取ることができる。電圧の入出力比から、角周波数が大きくなるほど、1に近くなる。このため、角周波数に比例する周波数においても考えられるので、高周波が遮断周波数を超えて伝わり、低周波数は伝わらないことがわかる。ローパスフィルタは、電気回路で、ある周波数より高い帯域の信号を通さず、低周波をよく通すフィルター回路である。これは、RC回路であることが、2.3の(ⅱ)にある図3から読み取ることができる。電圧の入出力比から、角周波数が小さくなるほど、1に近くなる。このため、角周波数に比例する周波数においても考えられるので、低周波数が遮断周波数を超えないため伝わり、高周波数は伝わらないことがわかる。
2.5デシベル表示[3]
利得とは、入力信号に対して出力信号が増幅される割合を示すパラメーターである。この電圧の利得をA、入力電圧VIn、出力電圧をVoutとおいて、電圧の利得を示すと
A=V_out/V_In
と表すことができる。この電圧利得をデシベル表示GVとして直すと、
G_V=20 log_10〖|A|=20 log_10〖|V_Out/V_In |[dB]〗 〗
と以上のように表すことができる。
2.6周波数特性[4]
(ⅰ)図1(a)のCR回路
このCR回路の利得Aは、
A=1/√(1+1/(ωRC)^2 )
と表される。この値を、デシベル表示に直すと、
G_V=20 log_10〖|A|=20 log_10〖|{1+1/(ωRC)^2 }^*1
と表すことができる。この式において、ωL-1/ωC=0の時の角周波数を考える。
ωL=1/ωC
ω^2=1/LC
ω=1/√LC
この時に、電流の値が、最大値になり、この時の周波数は、f=ω/2π=1/(2π√LC) となり、この時の周波数は、共振周波数という。
(ⅱ)並列共振回路
図5にRLCの並列している回路を示す。
この時の合成アドミタンスは、抵抗をR,コンデンサをC,コイルをLとおくと
Y=1/R+j(ωC-1/ωL)
角周波数をω、電圧をV.電流をIとおくと、キルヒホッフの法則より、電圧は、
V=I/(1/R+j(ωC-1/ωL))
と表すことができる。この式において、ωC-1/ωL=0の時の角周波数を考える。
ωC=1/ωL
ω^2=1/LC
ω=1/√LC
この時に、電流の値が、最大値になり、この時の周波数は、f=ω/2π=1/(2π√LC) となり、この時の周波数は、共振周波数となる。
3.実験方法
3.1 実験方法
3.1.1 インピータンスの測定
3.1.1.1 RR回路
図6にRR回路の回路図と図7に受動素子測定の設置図を示す。
①97.94[Ω]の抵抗R1及び97.02[Ω]の抵抗R2を受動素子特性測定のパネル上で図6のように直列に接続し、最大電圧が2[V]、周波数がf[kHz]の正弦波電圧(V1)を印加した。そして、この時にR2の端子間にあらわれた電圧V2の最大値と位相を求めて、V1の関係としてひとつのグラフに図示した。
②図7のように、オシロスコープ、受動素子特性測定のパネル、発振器を設置した。そして、発振器の出力を最低にした。
③97.94[Ω]の抵抗R1及び97.02[Ω]の抵抗R2を受動素子特性測定のパネル上で図6のように直列に接続した。この際に、オシロスコーププローブは、単針になっていない方をGNDになるように設置し、マイナスのケーブルからつけるようにした。
④発振器を操作して、最大電圧が2[V]の正弦波電圧(V1)を印加した。そして、この時にオスロスコープに図を図示し、R2の端子間にあらわれた電圧V2の最大値とV1とV2の位相差を記録して、図をUSBに記録した。
3.1.1.2 RC回路
①RR回路の抵抗R1を0.1004[μF]のコンデンサCに変更し、同じく電圧V1とV2の関係を論理的に求め、ひとつのグラフに図示した。
②実験パネルに実際の素子を接続して、オシロスコープで図を表示して、R2の端子間にあらわれた電圧V2の最大値とV1とV2の位相差を記録して、図をUSBに記録した。
3.1.1.3 RL回路
①RR回路の抵抗R1を484.56[μH]のコイルLに変更し、同じく電圧V1とV2の関係を論理的に求め、ひとつのグラフに図示した。
②実験パネルに実際の素子を接続して、オシロスコープで図を表示して、R2の端子間にあらわれた電圧V2の最大値とV1とV2の位相差を記録して、図をUSBに記録した。
3.1.1.4.抵抗値の測定
①デジタルマルチメーターを用いて、コンデンサCとコイルLの抵抗値をそれぞれ測定した。
3.1.2 微分回路の過渡応答
①103[pF]のコンデンサCと2[kΩ]の抵抗R2を図1(a)のように接続し、これに最大電圧2[V]、周波数がfの短形波電圧(V1)を印加し、抵抗R2の端子間電圧をオシロスコープで観察し、USBで記録した。
3.1.3 ハイパスフィルタの特性測定
図8にハイパスフィルタの特性測定の設置図を示す。
①図8のように発振器、電子電圧計、受動素子特性測定のパネルを設置した。
②10[nF]のコンデンサCと2[kΩ]の抵抗R2を図1(a)のように接続し、周波数200[Hz]から1[kHz]まで変化させ、入力電圧と出力電圧を電子電圧計で測定した。この時に、入力電圧が1[V]になるように発振器を操作して調整し、周波数は、各ディケードにおいて1、2、3、5、7のきざみになるように測定した。
3.1.4 直列共振回路の周波数特性
図9に直列共振回路の周波数測定する時の設置図、図9に直列共振回路のパネル上の図を示す。
①図9,10のように直列共振回路を構成し、電子電圧計、発振器、共振回路の特性測定のパネルを接続した。この実験回路で、“直列回路Ⅽ”と記載されている端子にコンデンサを挿入し、両電圧計のレンジは、最も大きな電圧が測定できる位置にしておいた。
②実験測定前に、15[nF]のコンデンサCと270[μH]のコイルLによる共振周波数f0を計算した。そして、共振回路に加える電圧V1を10[mV]になるように一定に保ち、計算値の共振周波数を中心に±30[kHz]まで変え、V2を測定した。この際に、共振周波数付近の変化の激しい周波数範囲では、1[kHz]おきに、裾の方の変化が穏やかなところでは、5[kHz]おきに測定して、実測の共振周波数f0を調べた。
③オームの法則より、I= V2/R2を用いて、測定した電圧V2から電流を求めて、横軸に周波数、縦軸に電流Iをとり、共振曲線を描いた。
④直列共振時には、VLとVCの値が、共振回路に加えた電圧V1よりも大きくなることを確認した。この際には、電圧計の入力容量やケーブルが並列接続されて共振周波数がずれるので、発振器の周波数を調整して、VLとVCの最大値を測定した。実験で用いた電子電圧計を使用するので、測定レンジを最も大きな電圧が測定できる位置にしてから、V2の測定端子を外すようにした。コイルの端子間電圧測定時には、“VL”と記された端子の黒い側の電圧計からのケーブルの黒いバナナチップが来るように接続した。コンデンサの時も同様に、“VC”と記された端子の黒い側の電圧計からのケーブルの黒いバナナチップが来るように接続した。
3.2 実験装置
実験装置をまとめた表を表1に、実験装置の写真を図11、図12、図13、図14、図15、図16に示す。
4.実験結果
4.1 インピータンスの測定
4.1.1 RR回路
使用した抵抗の抵抗値は、 R1=97.94[Ω]、R2=97.02[Ω]である。
合成インピータンスをZ、電流をIとすると、
Z=97.94+97.02=194.76[Ω]
オームの法則より
V_1=194.76I[V]
抵抗の比より、
V_2=R_2/Z V_1=97.02/194.76 V_1=97.02/194.76×194.76I=97.02I[V]
また、電圧比で考えてみると
|V_2/V_1 |=97.02/194.76≒0.49815≒0.50
よって、V2は、V1の約0.50倍ということがわかる。
また、抵抗R1,R2は両方とも実数であるので位相差がない。
この時に最大電圧が2[V]、周波数がf[kHz]の正弦波電圧(V1)を印加して、R2の端子間にあらわれた電圧V2の最大値と位相を求める。
電圧V1の最大電圧は、2[V]であるので、電圧V2の最大電圧は、V2は、V1の約0.50倍であり、位相差がないことから、
V_2=0.49815×2=0.9963≒1[V]
これによって、電圧V2の最大値は、約1[V]である。
そして、V2の位相は、抵抗は、実数であることから、位相は、時間t=0の時を考えると0である。
この時のV2とV1の関係としてひとつのグラフに図17に示す。
この図17には、V2とV1の正弦波の位相差はなく、V2は、V1の約0.50倍であることが示されている。
次に、実験で確認したV1、V2の電圧の最大値を示す。
V1、V2の電圧の最大値は、
V1=2.00[V]、V2=1.00[V]となり、同じ位相で正弦波を作っていたので位相差は、0[°]であった。
オシロスコープで確認した図を図18に示す。
4.1.2 CR回路
使用した抵抗とコンデンサの値は、 C=0.1004[μF]、R2=97.02[Ω]、周波数は、11[kHz]である。
この時の合成インピーダンスZは、
Z=R_2+1/jωC=R_2-j/2πfC=97.02-j/(2π×0.1004×11×10^(-6)×10^3 )
≒97.02-j144.1099 ≒97.02-j1.5×10^2 [Ω]
このインピータンスの絶対値は、
|Z|=√*2=79084.72705≒79×10^3=79[kHz]
と上記のように共振周波数が、79「kHz]と求めることができる。
表3に共振回路に加える電圧V1を10[mV]に一定に保ち、おおよそf0の±30[kHz]の範囲である50[kHz]から110[kHz]まで周波数を変えて、V2を測定した値を表にして示す。
表3から、実測の共振周波数を求める。共振周波数の時、抵抗は、実数となって、このときの電流Iは、最大になる。なので、V2が最大になれば、電流も最大になるので、表3のV2の電圧で最大なのは、0.00308[V]である。このことから、実測の共振周波数は、82[kHz]と考えられる。
図10から、抵抗R2は、1.5[Ω]であることがわかるので、表4に、周波数を表3のように変化した時の電流Iの変化を示す。
この表4を用いて、共振曲線を図26に示す。
図14では、実測の共振周波数に近くなればなるど、電流の値が大きくなり、実測の共振周波数に遠くなればなるほど電流の値が小さくなることがわかる。また、電流が大きくなる時は右肩上がりの2次曲線のようになり、小さくなる時には右肩下がりの2次曲線になっている。
次に直列共振回路において、コンデンサの電圧VCとコイルの電圧VLが、最大の時の電圧と周波数を示す。
コンデンサの電圧の時
周波数fが、81.24[kHz]の時、コンデンサの最大電圧VCは、0.258[V]となった。
コイルの電圧の時
周波数fが、81.74[kHz]の時、コイルの最大電圧VLは、0.268[V]となった。
5.考察
5.1 RR回路のインピータンス測定
理論で考えた電圧V2は、電圧V1が、2[V]の時に0.9963[V]となった。実験で測定した電圧V2は、図18から電圧V1が、2[V]の時に1[V]となることがわかる。理論値の電圧V2は、1桁に約分すると、1[V]となることから、おおよそ出力される電圧V2は、同じであると考えることができる。次に図17と図18を比べてみる。電圧V1と電圧V2の位相も同じで同じ波形を作っている。また、電圧V1は電圧V2の2倍になっており、理論値が正しいことを示していることがわかる。このことから、RR回路の実験と理論の波形は一致していたと考えることができる。
5.2 RC回路のインピータンス測定
理論値の電圧V2は、電圧V1が、2[V]の時に1.117[V]となった。実験で測定した電圧V2は、図18から電圧V1が、2[V]の時に1.12[V]となることがわかる。実験値と理論値との差は、
|1.12-1.117|=0.003[V]となり、実験値の桁数に合わせると、約分した実験値の桁数は、1.12[V]となり一致すると考えることができる。次に電圧V1と電圧V2の時間差を考えていく。理論値は、1.4×10^(-5) [sec]となった。そして、実験値は、1.400×10^(-5) [sec]となった。このことから、実験値と理論値は一致したと考えることができる。次に図19と図21を比べてみる。電圧V2は電圧V1の位相よりも1.4×10^(-5) [sec]遅れて進んでいて、同じ波形を作っていることがわかる。また、電圧V1は電圧V2の0.56倍になっており、理論値が正しいことを示していることがわかる。このことから、CR回路の実験と理論の波形は一致していたと考えることができる。次になぜ、電圧V2は電圧V1の位相よりも遅れて進んでいるのかを考える。図19のベクトル図を見ると、コンデンサの抵抗が、虚軸の負の値に存在するために、コンデンサの電圧は、虚軸の負の方向を向く。そして、抵抗の電圧は、実軸の正の方向にある為に抵抗の電圧は実軸の正の方向を向く。そのため、電圧V1は、抵抗とコンデンサの電圧の合計なので実軸から時計回りにθ進んだ方向に存在することになる。、これにより、抵抗の電圧V2は、電圧V1にθ分遅れて波形が現れることがわかる。
5.3 RL回路のインピータンス測定
次にインピータンスの測定実験のLR回路を考えていく。理論値の電圧V2は、電圧V1が、2[V]の時に1.9[V]となった。実験で測定した電圧V2は、図18から電圧V1が、2[V]の時に1.72[V]となることがわかる。このことから、電圧には、約0.18[V]の差が生まれてしまっていることがわかる。この原因を考える。実験で使用したコイルの抵抗は、11.4[Ω]になった。図22を見てみると、コイルの抵抗は、虚軸の正方向にしかなく、実軸には、抵抗が存在していないはずである。しかし、存在しているので、R2には、その分の抵抗を増やさなければいけない。これを図27に図として示す。また、コイルの抵抗値をコイルの直列等価回路における直列抵抗として考える。
抵抗R2は、
R_2=97.02+11.4=108.42[Ω]
として考えることができる。そのため、合成インピータンスは、
Z=R_2+jωL≒108.42+j33.4903≒108.42+j33[Ω]
このため、合成インピータンスの絶対値は、
|Z|=√*3と表されることがわかる。なので、入力電圧Vinを1[V]、抵抗は、2[kΩ]、コンデンサは、103[pF]=1.0×10-8[F]として、10[µs]ごとの出力電圧V2を表5に示すと、
この表5を用いて、横軸に時間、縦軸に出力電圧を用いた図を図28に示す。
微分回路の過渡応答から、積分回路の過渡応答は、図28になると予想できる。
5.7 ハイパスフィルタの特性測定
次にハイパスフィルタの特性測定において考える。ハイパスフィルタの特性測定で得た値を縦軸に入力電圧1[V]の時の電圧の入力比と横軸に周波数を片対数グラフに示した図を図29に示す。また、図30に縦軸に電圧の入出力比、横軸に周波数とした図を両対数グラフに示す。ただし、遮断周波数があるのは、入出力電圧の0.707倍の所なので、その電圧比が、横軸と水平になるような直線を取るようにする。
周波数特性を見るために、電圧の入出力比をデシベル表示にしたものを表6に示す。
表6の周波数とデシベル表示の電圧の入出力比を図31に示す。
遮断周波数は、図29から、7.6×103[Hz]、図30から、7.9×103[Hz]、図31から7.6×103[Hz]と求めることができた。遮断周波数は、f=1/2πRCと求めることができるので、R=2[kΩ]、C=103[pF]から
f=1/2πRC=1/(2π×2×10^(-5) )=7957.74=8.0×10^3 [Hz]
と求めることができた。この値とグラフから読み取った値は、ほぼ一致していて、電圧比の0.707倍の入出力比の所や-3[dB]の所で同じような遮断周波数を確認できた。また、高周波のところに行くと値の上昇は止まり一定の電圧の入出力比になることから、ハイパスフィルタの性質が現れていると考えることができる。
この性質が、図1(b)のRC回路にも表れると考えられる。原理より出力電圧はv_out=V_in (1-e^(-t/CR))と表されることがわかる。なので、入力電圧Vinを1[V]、抵抗は、2[kΩ]、コンデンサは、103[pF]=1.0×10-8[F]として、1から表2の電圧の入出力比を引けば、出力電圧が求められることを利用して、周波数と電圧の入出力比の表を表7として作成する。
この表7を参考にして、片対数グラフにRC回路の周波数と電圧の入出力比のグラフを図32として作成する。
図31が、図1(b)の積分回路の周波数特性を測るときに測定されるグラフだと考えられる。
5.8 直列共振回路の周波数特性
直列共振回路の周波数特性の実験において、共振周波数の時に電流が最大であるかを確認する。
表4を見ると、電流が、最も大きい時の周波数は、82[kHz]となっている。この値が、実測の共振周波数と考えられる。理論値の共振周波数は、79[kHz]となっている。実験値と理論値との差は、3[kHz]となっている。このことから相対誤差を求めてみる。
(82-79)/79×100=3/79×100≒3.797≒3.8[%]
となった。なぜ、実測値と理論値が一致しなかったかを考える。まず、コンデンサやコイルが確実に接続されていなかった可能性がある。確実に接続されていなかったために、コンデンサやコイルのインピータンスの値が、小さくとられてしまったために、実験値の方が大きくなったと考えられる。確実に接続されなかった原因として、コンデンサやコイルの接続部分に手の油がついてたり、錆が生まれてしまったり、パネルの奥深くまで刺さっていなかったなどのことが考えられる。次に、コイルやコンデンサのインピータンスの値が、劣化したために減少してしまったことが考えられる。その結果、実測値の周波数が大きくなったと考えられた。以上のことが、一致しなかった原因だと考えられた。
5.9 直列共振回路の周波数特性でVLとVCが一致しなかった理由
次に直列共振回路の周波数特性の実験において、共振周波数の時のコンデンサの電圧とコイルの電圧を示す。コンデンサの電圧の時、周波数fが、81.24[kHz]の時、コンデンサの最大電圧VCは、0.258[V]、コイルの電 圧の時、周波数fが、81.74[kHz]の時、コイルの最大電圧VLは、0.268[V]となった。これは、コンデンサとコイルの最大電圧の時であり、共振周波数に近い値になっているのにも関わらず、なぜ一致していないかを考える。コイルのインピータンスには、図27に示した通りに、インピータンスに抵抗の値が含まれている。そのため、コイルのインピータンスに追加として、抵抗のインピータンスが加わってしまうことがわかる。そのため、理論値のコイルのインダクタンスよりも実験値のコイルのインダクタンスの方が大きくなることがわかる。このため、コイルのインピータンスをZ、電圧をV、電流をIとおくと、オームの法則より、V=ZIとなるので、理論値よりも実験値の値が大きくなるために、コイルの電圧よりも大きくなってしまい、一致しないという結果が生まれてしまったと考えられる。
また、コイルにおいても、電子電圧計の導線が、極板のような役割を担っており、コンデンサとして扱うことができる。そのため、電子電圧計のコンデンサをC2、実験値のコンデンサをC1とおくとコンデンサの並列接続をしているので、(C_1 C_2)/(C_1+C_2 )[F]と表すことができる。そのため、合成インピータンスが変化してしまったので、共振周波数の時にコイルとコンデンサの電圧が一致しなかったと考えられる。
5.10 並列共振回路の周波数特性の予測
次に並列共振回路の周波数特性の予測を行う。[5]共振周波数は、直列共振回路の周波数特性の実験を行ったときと同じ、f=ω/2π=1/(2π√LC) を利用するので、理論値の共振周波数は、79[kHz]と考えられる。そのため、並列共振回路の周波数特性のグラフを書く時の周波数の範囲は、50[kHz]以上110[kHz]以下だと考えられる。
次に、抵抗の電圧を式で表すと
V=I/(1/R+j(ωC-1/ωL))
と表せられる。共振周波数の時、ωC=1/ωL となるので、この時の電圧は、V=RIと示すことができる。分母の値が、共振周波数の時最少となるので、この時の電圧は最大になると考えられる。このことから、共振周波数に近づくにつれて、抵抗の電圧が大きくなり、共振周波数を超えたら、次第に抵抗の電圧が小さくなると考えられる。
5.11 並列共振回路の周波数特性で共振回路の非対称性が認められる理由
並列共振回路の周波数特性の図32とは異なり、実際の実験では、抵抗の電圧と周波数の図において非対称性が見られるようである。なので、次に、その非対称性はなぜ発生したのかを考えていく。抵抗の電流は、
I=V[1/R+j(ωC-1/ωL)]
と表すことができる。コンデンサとコイルの周波数特性を見るので、抵抗は考えなくてもいいので、
なので、電流の電圧は、
I=V[j(ωC-1/ωL)]
と表すことができる。この電流の絶対値を求めると、
I=|V[j(ωC-1/ωL)]|
この時、図19と図22を考慮して考えると、電流に対して、コンデンサとコイルの電圧は、90[°]と-90[°]位相がずれていることがわかる。。共振周波数の時に、ωC-1/ωLの値は、0になることから、この共振周波数の時の電流は、コンデンサとコイルの位相が180[°]ずれているために、0[A]になることが考えられる。この共振周波数が、高い時には、コイルの値が小さくなるので、コンデンサの周波数特性が出て、共振周波数が低い時に、コンデンサが小さくなりコイルの周波数特性が大きく出ると考えられる。なので、周波数が、高い時と低い時の電流を考えると、
周波数が高い時
I=|Vj(ωC)|=VωC
周波数が低い時
I=|-Vj 1/ωL|=V 1/ωL
このようになるときの電流の図を考えてみると、共振周波数より大きい時にコンデンサの周波数特性が出て、1次直線が出て、共振周波数より小さい時には、曲線になると考えられる。それを図に表すと、
図33を見ると、低い周波数の方が右下がりの双曲線を描いて電流が小さくなり、高い周波数の方が、右上がりの1次直線を描いて、電流が大きくなることを見て取ることができる。
参考文献
[1]"ハイパス‐フィルター【high pass filter】", デジタル大辞泉, JapanKnowledge, (https://japanknowledge.com ), (参照 2021-10-06)
[2]"ローパス‐フィルター【low pass filter】", デジタル大辞泉, JapanKnowledge,( https://japanknowledge.com ), (参照 2021-10-06)
[3]高木茂考:EE Text アナログ電子回路,p17,オーム社,2020年,第1版第5刷.
[4]高木茂考:EE Text アナログ電子回路,p18,オーム社,2020年,第1版第5刷.
[5]加藤政一,和田茂雄,佐野雅敏,田井野徹,鷹野致和,高田進:専門基礎ライブラリー電気回路改訂版,p106,実教出版株式会社,2019年,第3刷.
終わりに
このレポートが参考になれば幸いです。
*1:-1)/2) |=-10{log(1+(ωRC)^2 )-log〖(ωRC)^2 〗 }[dB]〗 〗
ωRCを3つの領域に分けて考える。
(1) (ωRC)^2≪1
この時、log(1+(ωRC)^2 )の(ωRC)^2は、無視できるので、
G_V=-10{log(1+(ωRC)^2 )-log〖(ωRC)^2 〗 }≒-10{log(1)-log〖(ωRC)^2 〗 }=10{log〖(ωRC)^2 〗 }[dB]
(2) (ωRC)^2=1
G_V=-10{log(1+(ωRC)^2 )-log〖(ωRC)^2 〗 }≒-10{log(2)-log〖(1)^2 〗 }≒-3.01[dB]
(3) (ωRC)^2→∞
この時、log(1+(ωRC)^2 )の1は、無視できるので、
G_V=-10{log(1+(ωRC)^2 )-log〖(ωRC)^2 〗 }≒-10{log((ωRC)^2 )-log〖(ωRC)^2 〗 }→0[dB]
(4) (ωRC)^2→0
この時、log(1+(ωRC)^2 )の(ωRC)^2は、無視できるので、
G_V=-10{log(1+(ωRC)^2 )-log〖(ωRC)^2 〗 }≒-10{log(1)-log〖(ωRC)^2 〗 }=-∞[dB]
となり、(ωRC)^2=1のときに、遮断周波数が発生する。
(ⅰ)図1(b)のCR回路
このCR回路の利得Aは、
A=1/√(1+(ωRC)^2 )
と表される。この値を、デシベル表示に直すと、
G_V=20 log_10〖|A|=20 log_10〖|{1+(ωRC)^2 }^((-1)/2) |=-10{log(1+(ωRC)^2 ) }[dB]〗 〗
ωRCを3つの領域に分けて考える。
(1) (ωRC)^2≪1
この時、log(1+(ωRC)^2 )の(ωRC)^2は、無視できるので、
G_V=-10{log(1+(ωRC)^2 ) }≒-10{log(1) }=0[dB]
(2) (ωRC)^2=1
G_V=-10{log(1+(ωRC)^2 ) }≒-10{log(2) }≒-3.01[dB]
(3) (ωRC)^2→∞
この時、log(1+(ωRC)^2 )の1は、無視できるので、
G_V=-10{log(1+(ωRC)^2 ) }≒-10{log((ωRC)^2 ) }→-20{log(ωRC) }[dB]
(4) (ωRC)^2→0
この時、log(1+(ωRC)^2 )の(ωRC)^2は、無視できるので、
G_V=-10{log(1+(ωRC)^2 ) }≒-10{log(1) }=0[dB]
となり、(ωRC)^2=1のときに、遮断周波数が発生する。
2.7 RLC共振回路
(ⅰ)直列共振回路
図4にRLCの直列している接続してる図を示す。
図4 RLC直列接続回路
この時の合成インピータンスは、抵抗をR,コンデンサをC,コイルをLとおくと
Z=R+j(ωL-1/ωC)
と表すことができる。角周波数をω、電圧をV.電流をIとおくと、キルヒホッフの法則より、電流は
I=V/(R+j(ωL-1/ωC
*2:97.02)^2+(144.11)^2 )≒173.725≒1.7×10^2 [Ω]
この時に最大電圧が2[V]、周波数が11[kHz]の正弦波電圧(V1)を印加して、R2の端子間にあらわれた電圧V2の最大値と位相を求める。
電圧V2の最大電圧は、電圧V1の最大電圧が2[V]であることから、抵抗の比を用いて求める。
V_2=|R_2/Z| V_1=97.02/173.725×2≒0.558×2≒1.1169≒1.1[V]
電圧V2の位相は、時間t=0の時に、抵抗は、実軸の正の方向、コンダクタは、虚軸の負の方向に伸び
ているのでその2つの線がなす角度を逆三角関数を用いて求める。求める位相をθとおくと、
θ=tan^(-1)〖((1/jωC)/R_2 )=tan^(-1)〖((-144.1099)/97.02)=〗 〗-56[°]
周期Tにおいて、電圧V1と電圧V2の時間差x[sec]を考える。
x=T×|θ|/360=1/f×|θ|/360=1/(11×10^3 )×56/360=1.4141×10^(-5)=1.4×10^(-5) [sec]
RC回路が直列接続して、時間t=0の時のインピータンスと電流のベクトル図を図19に示す。
図19から電圧V1は、電圧V2よりもθ遅れているので、電圧V1は、電圧V2よりも約1.4×10^(-5) se
cいることがわかる。
このことをふまえて、V2とV1の関係としてひとつのグラフに図20に示す。
この図20には、V2とV1の正弦波の位相差は、56[°]、V2は、V1の約0.56倍であることが示されている。
次に、実験で確認したV1、V2の電圧の最大値を示す。
V1、V2の電圧の最大値は、V1=2.00[V]、V2=1.12[V]となった。
V1、V2の時間差は、1.400×10^(-5)[s]となった。
CR直列回路をオシロスコープで確認した図を図21に示す。
4.1.3 RL回路
使用した抵抗とコイルの値は、 L=484.56[μH]、R2=97.02[Ω]、周波数は、11[kHz]である。
この時の合成インピーダンスZは、
Z=R_2+jωL=R_2+j2πfL=97.02+j2π×11×10^3×484.56×10^(-6)
≒97.02+j33.4903≒97.02+j33[Ω]
このインピータンスの絶対値は、
|Z|=√((97.02)^2+(33.4903)^2 )≒102.638≒1.0×10^2 [Ω]
この時に最大電圧が2[V]、周波数が11[kHz]の正弦波電圧(V1)を印加して、R2の端子間にあらわれた電圧V2の最大値と位相を求める。
電圧V2の最大電圧は、電圧V1の最大電圧が2[V]であることから、抵抗の比を用いて求める。
V_2=|R_2/Z| V_1=97.02/102.638×2≒0.9453×2≒1.8905≒1.9[V]
電圧V2の位相は、時間t=0の時に、抵抗は、実軸の正の方向、コンダクタは、虚軸の正の方向に伸びているのでその2つの線がなす角度を逆三角関数を用いて求める。求める位相をθ_2とおくと、
θ_2=tan^(-1)〖(jωL/R_2 )=tan^(-1)〖(33.4903/97.02)≒〗 〗19[°]
周期Tにおいて、電圧V1と電圧V2の時間差x[sec]を考える。
x=T×|θ|/360=1/f×|θ|/360=1/(11×10^3 )×19/360=4.7979×10^(-6)=4.8×10^(-6) [sec]
RC回路が直列接続して、時間t=0の時のインピータンスと電流のベクトル図を図22に示す。
図19から電圧V1は、電圧V2よりもθ_2進んでいるので、電圧V1は、電圧V2よりも約4.8×10^(-6) [sec]
進んでいることがわかる。
このことをふまえて、V2とV1の関係としてひとつのグラフに図23に示す。
この図23には、V2とV1の正弦波の位相差は、19[°]、V2は、V1の約0.96倍であることが示されている。
次に、実験で確認したV1、V2の電圧の最大値を示す。
V1、V2の電圧の最大値は、V1=2.00[V]、V2=1.72[V]となった。
V1、V2の時間差は、4.400×10^(-6)[s]となった。
RL直列回路をオシロスコープで確認した図を図24に示す。
4.1.4 抵抗値の測定
デジタルマルチメーターで測定したコイルとコンデンサの抵抗値を示す。
コイル 11.4[Ω]
コンデンサ O.F[MΩ]
4.2 微分回路の過渡応答
図25に103[pF]のコンデンサCと2[kΩ]の抵抗R2を図1(a)のように接続し、これに最大電圧2[V]、周波数がfの短形波電圧(V1)を印加し、抵抗R2の端子間電圧をオシロスコープで観察した図を示す。
図25の青色の線が、R2の電圧、橙色の線が、V1の電圧を示している。青色の線は、図2のように0[V]に曲線を描きながら向かっているのがわかる。
この実験で求められた時定数は、20[μs]=2.0×10-5[s]となった。
4.3 ハイパスフィルタの特性測定
実験で使用した抵抗R2とコンデンサCの抵抗値と容量を示す。
R2=2[kΩ] C=1.0×10-8=10[nF]
次に、周波数200[Hz]から1[kHz]まで各ディケードにおいて1、2、3、5、7のきざみになるように変化させ、発振器を操作して入力電圧を1[V]にして測定した電圧の入出力比を表2にして示す。
4.4 直列共振回路の周波数特性
実験で使用したコンデンサCの容量、コイルLのインダクタンスの値を示す。
C=15[nF]、L=270[μH]
この時の共振周波数は、原理より、f_0=1/(2π√LC) と表せられるので、
f_0=1/(2π×√(15×10^(-9)×270×10^(-6)
*3:108.42)^2+(33.4903)^2 )≒113.47≒1.1×10^2 [Ω]
この時に最大電圧が2[V]、周波数が11[kHz]の正弦波電圧(V1)を印加して、R2の端子間にあらわれた電圧V2の最大値と位相を求める。
電圧V2の最大電圧は、電圧V1の最大電圧が2[V]であることから、抵抗の比を用いて求める。ただし、この時の抵抗R2は、コイルの抵抗を足したものなので、引いた値を用いるようにする
V_2=|(R_2-11.4)/Z| V_1=97.02/113.47×2≒0.8550×2≒1.7100≒1.71[V]
コイルの抵抗をふまえて考えたら、理論値は、実験値の電圧V2の1.72[V]により近い値の1.71[V]を導き出すことができた。このことから、コイルの抵抗をふまえれば、電圧V2の理論値と実験値は一致することがわかる。。次に電圧V1と電圧V2の時間差を考えていく。時間差の理論値は、4.8×10-6[sec]、実験値は、4.4×10-6[sec]となった。理論値と実験値を比べてみると、0.4×10-6[sec]の差がある。これは、図27のように、コイルに抵抗が生まれてしまったことで実軸と電圧V2がなす角度に変化が生じてしまったからだと考えられる。まずは、この角度θ_3を求めて、時間差tを考えてみる。
θ_3=tan^(-1)〖(ωL/R_2 )=〗 tan^(-1)〖(33.4903/108.42)=17.166[°]〗
t=T×17.166/360=17.166/360f=17.166/(360×11×10^3 )≒4.3347×10^(-6)=4.3×10^(-6) [sec]
コイルの抵抗をふまえて考えたら、理論値は、実験値の時間差4.4×10-6[sec]により近い値の4.3×10-6[sec]を導き出すことができた。しかし、約0.1×10-6[sec]理論値と実験値に差が出ている。これは、オシロスコープで電圧の時間差を測った際に手動で合わせたことが原因でずれが出てしまったことが原因と考えられる。それがなければ理論値と実験値は一致していたと考えることができる。次に図23、図24を比べてみる。電圧V2は電圧V1より4.4×10^(-6) [sec]早く進みながら、同じ波形を作っていることがわかる。また、電圧V1は電圧V2の0.855倍になっており、理論値が正しいことを示していることがわかる。このことから、CR回路の実験と理論の波形は一致していたと考えることができる。
5.4 微分回路の過渡応答
微分回路の過渡応答について考えていく。まずは、理論値の時定数を求める。時定数は、τ=1/ω=RCで求められる。抵抗は、2[kΩ]、コンデンサは、103[pF]=1.0×10-8[F]であるので、時定数は、
τ=RC=2×10^3×10^(-8)=2×10^(-5)=20[μs]
次に実験した時の時定数を示す。実験では、電圧V2の最大電圧の0.368倍の値を用いて、横軸に水平な直線を描き、曲線との交点の横軸の値が実験で求めた時定数になっている。これは、図25の縦軸に水平な青色の直線が示している。そうして、実験から求められた時定数は、20[µs]である。この値は、理論値と一致するので、実験値と理論値は一致したと考えることができる。
5.5 積分回路の過渡応答の予測
次に、この微分回路の過渡現象から積分回路の過渡現象を考えていく。積分回路の過渡現象はコンデンサの電圧を考えるので、原理よりv_out=V_in (1-e^(-t/CR
【大レポ】ダイオードの電圧電流特性と整流回路
- 始めに
- 注意
- レポート:ダイオードの電圧電流特性と整流回路
- 1.実験目的
- 2.原理
- 5.考察
- 終わりに
- 2-6.リップル率
- 2-7.ダイオードの特徴
- 2-8.整流回路
- 2-9.平滑回路
- 3.実験実施方法
- 4.実験結果
- 6.考察課題
- 7.参考資料
始めに
ダイオードの電圧電流特性と整流回路のレポートを載せる。
注意
※丸写しはやめてください
※レポートが正しくない可能性があるので注意してください
レポート:ダイオードの電圧電流特性と整流回路
1.実験目的
ダイオードを順方向と逆方向に接続して、それぞれの電圧と電流の特性を理解し、整流用のダイオードを用いて、半波と全波の時のダイオードの整流特性や平滑回路の動作と特性の確認を行う。
2.原理
2-1.半導体のエネルギーバンド[1][2]
まずは、図1にケイ素の半導体のエネルギーバンド図を示す。
半導体のエネルギーバンド図には、伝導帯、禁制帯、価電子帯がある。伝導帯は、ケイ素結晶中の電子や正孔が移動する通路のようなものであり、伝導電子がほとんど存在しない状態である。禁制帯は、伝導体と価電子のエネルギーの差であり、これをエネルギーギャップという。価電子帯は、伝導電子が隙間なく充満している状態である。この価電子帯の電子にエネルギーを与えると、電子は伝導帯に移動するようになる。具体的に言うと、熱エネルギーを与えると、電子の熱励起が起きて、価電子帯から伝導体に移行するということである。これをより具体的に理解するために、半導体であるp型半導体とn型半導体の両方の場合のエネルギーバンドについて考えていく。
まずは、p型半導体について考える。図2にp型半導体のエネルギーバンド図を示す。
ケイ素の中に13族元素であるホウ素原子を入れると正孔が生じて、p型半導体になる。この時に、ホウ素が混入したことにより、不純物準位、別名アクセプタ準位という新しいエネルギー準位が形成される。そのため、この半導体に電界をかけた時に、電子が容易に不純物準位に移動して価電子帯に正孔ができるようになる。これが行われることによって、価電子帯に正孔が過剰になってしまう。このような半導体をp型半導体と言われる。
次にn型半導体について考える。図3にn型半導体のエネルギーバンド図を示す。
ケイ素の中に15族のリン元素を入れると、リン元素は、価電子を5個持つので、1個の電子を放出する。放出された電子は、図3のように不純物準位にいるので、少しの熱エネルギーのよって、伝導帯に電子が励起することができる。この不純物準位と伝導体の距離は、エネルギーギャップよりも小さいので、容易に移動することができる。このような半導体をn型半導体という。
次に、pn接合について考えていく。図4にpn接合したエネルギーバンド図を示す。
p型半導体とn型半導体を接続すると、p型はn型の方向へ、n型は、p型の方向へキャリアが拡散していく。p型領域に達した電子は、正孔と再結合し、n型領域に達した正孔は、電子と再結合して消滅して、図4のような空乏層を作る。ドナー準位とアクセプタ準位には、電子が抜けたり、入ったりしたことで正のドナーイオンと負のアクセプタイオンが生まれ、それによって、電位が生じて、図4の上図から下図に変化する。そして、電子の存在確率が2分の1になるフェルミ準位が直線になるときに安定な状態である熱平衡状態に移行するようになる。
2-2.コイルの電圧-電流特性
図5に交流電源と、コイルが接続された図を示す。
交流電圧をV=V_0 sinωt とし、コイルの電圧をV_Lとおくと、V_Lは、
V_L=-L dI/dt
とおけるので、V+V_L=0において、、V=-V_Lとおけるので、
V_0 sinωt=L dI/dt
dI=V_0/L sinωt dt
これを積分すると、C1は積分定数とする。
I=∫▒〖V_0/L sinωt dt〗=-V_0/ωL cosωt+C_1
電圧の最大値は、ωt=π/2+2πk(k:整数)の時に、 V=V_0 [V]となり、電流の最大値は、ωt=π+2πk(k:整数)の時にI=-V_0/ωL+C_1 [A]となる。電圧の最小値は、ωt=-π/2+2πk(k:整数)の時に、 V=-V_0 [V]となり、電流の最小値は、ωt=2πk(k:整数)の時にI=V_0/ωL+C_1 [A]となる。これを電圧電流特性の図として、図6に示す。
2-3.コンデンサの電圧電流特性
図7にコンデンサと交流電源が接続した回路図を示す。
交流電圧を、V=V_0 sinωt とし、コンデンサの電圧をV_C、電荷をQとおく。交流電源の電圧の方向を生とすると、起電力の向きは、常に逆向きなのを考慮して考えると、Q=CV_Cより、
V_C=-Q/C
V+V_C=0より、V=-V_C となるので、
V_0 sin〖ωt=Q/C〗
Q=CV_0 sinωt
I=dQ/dt を考慮して考えると I=(dCV_0 sinωt )/dt=CV_0 ω cosωt
、
電圧の最大値は、ωt=π/2+2πk(k:整数)の時に、 V=V_0 [V]となり、電流の最大値は、ωt=2πk(k:整数)の時にI=CV_0 ω[A]となる。電圧の最小値は、ωt=-π/2+2πk(k:整数)の時に、 V=-V_0 [V]となり、電流の最小値は、ωt=π+2πk(k:整数)の時にI=-CV_0 ω[A]となる。これを電圧電流特性の図として、図8に示す。
2-4.トランスの電流電圧特性
図9に交流電源とトランスが接続した回路図を示す。
ファラデーの電磁誘導の法則と交流理論より
V_1=jωL_1 I_1+jωMI_2 ・・・①
V_2=jωL_2 I_2+jωMI_1=-RI_2 ・・・②
式②を変換して、I_2の値を求めると、
I_2=(jwMI_2)/(R+jωL_2 )
これを式①に代入して、V1を求めると、
V_1=I_1 (jωL_1+(ωM)^2/(R+jωL_2 ))
k_1=jωL_1+(ωM)^2/(R+jωL_2 ) とすると、〖 V〗_1=k_1 I_1 となる。
同様にV_2 をもとめると、I_2 は
I_1=(-(R+jωL_2 ) I_2)/jωM
となるので、式②に代入すると、V2は、
V_2=I_2 {-(RL_1)/M+j(ωM-(ωL_1 L_2)/M)}
k_2=-(RL_1)/M+j(ωM-(ωL_1 L_2)/M)とすると、〖 V〗_2=k_2 I_2 となる。
このことから、トランスの電圧と電流は、1次関数であることがわかったので、交流電源により、交流電圧をV=V_0 sinωtとする時の電圧電流特性の図を図10に示すと、
2-5.交流電圧の実効値と平均値
2-5-1.交流電圧の実効値[3]
交流電圧の実効値は、2乗の平均値なので、電圧の実効値をV_a、周期をT、電圧をv(t)とおくと、
V_a=√(1/T ∫_0^T▒〖〖v(t)〗^2 dt〗)
となる。電圧の最大値をV_m、交流電圧をv(t)=V_m sinθ、T=2πとおく、
V_a=√(1/T ∫_0^T▒〖(V_m sinθ )^2 dθ〗)=V_m √(1/T ∫_0^T▒〖〖sinθ〗^2 dθ〗)=V_m √(1/T ∫_0^T▒〖(1-cos2θ)/2 dθ〗)
=V_m √(1/T [1/2 θ-sin2θ/4]_0^2π )=V_m √(1/T×T/2)=V_m/√2
よって、実効値は、V_m/√2になることがわかる。
交流電圧の交流分の実効値は、電圧の実効値をV_AC、周期をT、電圧をv(t)、平均値をV0とおくと、
V_a=√(1/T ∫_0^T▒〖〖(v(t)-V_0)〗^2 dt〗)
と表すことができる。電圧の最大値をV_m、交流電圧をv(t)=V_m sinwt、平均値を=V_m Aとおくと、
V_a=√(1/T ∫_0^T▒〖(v(t)-V_0 )^2 dt〗)=√(1/T ∫_0^T▒〖〖v(t)〗^2-2v(t) V_0+〖V_0〗^2 dt〗)=√(〖V_m〗^2/T ∫_0^T▒〖〖sinwt〗^2-2A sinwt+A^2 dt〗)
=√(〖V_m〗^2/T ∫_0^T▒〖(1-cos2wt)/2-2A sinwt+A^2 dt〗)=V_m √(1/T [(-sin2wt)/4w+(2A coswt)/w+(1/2+A^2 )t]_0^T )
wT=2πより
V_m √*1/(17.6/π)×100=π√(1/4-1/π^2 )×100≒121[%]
よって、図形から読み取れる値から導いたリップル率は、121[%]となることがわかった。
つぎに、デジタルマルチ―メーターで測定した出力電圧の直流分と交流分からリップル率を求める。
直流分、交流分の電圧を示すと、直流分は、5.55[V]、交流分は、6.57 [V]となった。
原理から、リップル率は、
γ=6.57/5.55×100=118[%]
よって、デジタルマルチメーターで測定した値から導いたリップル率は、118[%]となることがわかった。
4-2-2.全波の時のダイオードの整流回路の測定
図27に全波の時にダイオードの整流回路の測定した出力電圧波形と入力電圧波形を示す。
図27の全波時のダイオードの整流回路の測定では、入力電圧波形は、電圧の正方向にも負の方向にも、上凸と下凸の波を作るが、出力電圧波形では、入力電圧が正の方向でも負の方向でも、上凸の波を作ることが読み取ることができる。
この図27からリップル率を求める。
リップル率は、γ=実効値/出力電圧の平均値×100と求められるので、まずは、出力電圧の実効値Vaを求める。
原理より、Vm=17.8[V]、T=πの時
V_a=√(1/T ∫_0^T▒〖(V_m sinθ )^2 dθ〗)=V_m √(1/T ∫_0^T▒〖(1-cos2θ)/2 dθ〗)=√(1/T [1/2 θ-sin2θ/4]_0^π )=V_m √(1/T×T/2)=V_m/√2=17.8/√2
次に、出力電圧の平均値を求める。
原理より、Vm=17.8[V]、T=πの時
V_0=1/T ∫_0^T▒〖V_m sinθ dθ=V_m/T [-cosθ ]_0^π=V_m/T (-cos〖π+cos0 〗 )=V_m/π×2=〖2V〗_m/π〗=(2×17.8)/π
実効値には、直流分が含まれているので交流分を引いた実効値VACは、
VAC=√(〖V_m/2〗^2-〖〖4V〗_m/π^2 〗^2 )=V_m √(1/2-4/π^2 )=17.6√(1/2-4/π^2 )
リップル率γは、
γ=V_a/V_0 ×100=(17.6√(1/2-4/π^2 ))/*2/2×100≒48.3=48[%]
よって、波形から読み取れる値から導いたリップル率は、48[%]となることがわかった。
つぎに、デジタルマルチ―メーターで測定した出力電圧の直流分と交流分からリップル率を求める。
直流分、交流分の電圧を示すと、直流分は、11.11[V]、交流分は、5.50[V]となった。
原理から、リップル率は、
γ=5.5/11.11×100=49.5[%]
よって、デジタルマルチメーターで測定した値から導いたリップル率は、49.5[%]となることがわかった。
4-3.コンデンサ入力形平滑回路の測定
4-3-1.半波の時の.コンデンサ入力形平滑回路の測定
図28に半波の時の.コンデンサ入力形平滑回路で測定した出力電圧波形と入力電圧波形を示す。
図28の半波の時のコンデンサの入力平滑回路の測定では、入力電圧波形は、正弦波を描いているが、出力電圧波形は、ある程度の高さで入力電圧波形の正弦波に沿っているが、ある高さまで行くと右下方向の直線になり次の正弦波の山まで伸びて、交わったら入力電圧波形の正弦波に沿うというのを繰り返しているのが見て取れる。
デジタルマルチ―メーターで測定した出力電圧の直流分と交流分からリップル率を求める。
直流分、交流分の電圧を示すと、直流分は、15.02[V]、交流分は、1.01[V]となった。
原理から、リップル率は、
γ=1.01/15.02×100=6.72[%]
よって、デジタルマルチメーターで測定した値から導いたリップル率は、6.72[%]となることがわかった。
4-3-2.全波の時の.コンデンサ入力形平滑回路の測定
図29に全波の時の.コンデンサ入力形平滑回路で測定した出力電圧波形と入力電圧波形を示す。
図29の全波の時のコンデンサの入力平滑回路の測定では、入力電圧波形は、正弦波を描いているが、出力電圧波形は、17.6[V]まで入力電圧波形の正弦波に沿っているが、ある高さまで行くと右下方向の直線になり1.60[V]まで下がったら、入力電圧波形の正弦波に沿うように上がるというのを繰り返しているのが見て取れる。
デジタルマルチ―メーターで測定した出力電圧の直流分と交流分からリップル率を求める。
直流分、交流分の電圧を示すと、直流分は、16.18[V]、交流分は、0.47[V]となった。
原理から、リップル率は、
γ=0.47/16.18×100=2.90[%]
よって、デジタルマルチメーターで測定した値から導いたリップル率は、2.90[%]となることがわかった。
4-4.チョーク入力形平滑回路の測定
4-4-1.半波の時のチョーク入力形平滑回路の測定
図30に半波の時のチョーク入力形平滑回路の測定した出力電圧波形と入力電圧波形を示す。
図30の半波の時のチョーク入力形平滑回路の測定では、入力電圧波形は、正弦波を描いているが、出力電圧波形は、15.2[V]まで入力電圧波形と比べると少し時間の正方向に進んで正弦波を描いて、その後に0[V]まで下がっていき、約4分の1周期を0[V]のまま直線を描く。その後に、、15.2[V]まで入力電圧波形と比べると少し時間の正方向に進んで正弦波を描くというのを繰り返すのが見て取れる。
デジタルマルチ―メーターで測定した出力電圧の直流分と交流分からリップル率を求める。
直流分、交流分の電圧を示すと、直流分は、4.9[V]、交流分は、5.7[V]となった。
原理から、リップル率は、
γ=5.7/4.9×100=116[%]
よって、デジタルマルチメーターで測定した値から導いたリップル率は、116[%]となることがわかった。
4-4-2.全波の時のチョーク入力形平滑回路の測定
図31に全波の時のチョーク入力形平滑回路の測定した出力電圧波形と入力電圧波形を示す。
図31の全波の時のチョーク入力形平滑回路の測定では、入力電圧波形は、正弦波を描いているが、出力電圧波形は、15.6[V]まで入力電圧波形と比べると少し時間の正方向に進んで正弦波を描いて、その後に6.4[V]まで下がっていき、また、15.2[V]まで入力電圧波形と比べると少し時間の正方向に進んで正弦波を描くというのを繰り返すのが見て取れる。
デジタルマルチ―メーターで測定した出力電圧の直流分と交流分からリップル率を求める。
直流分、交流分の電圧を示すと、直流分は、10.85[V]、交流分は、3.15[V]となった。
原理から、リップル率は、
γ=3.15/10.85×100=29.0[%]
よって、デジタルマルチメーターで測定した値から導いたリップル率は、29.0[%]となることがわかった。
4-5.組合せ形平滑回路の測定
4-5-1.半波の時の組合せ形平滑回路の測定
図32に半波の時の組合せ形平滑回路で測定した出力電圧波形と入力電圧波形を示す。
図32の半波の時の組合せ形平滑回路の測定では、入力電圧波形は、正弦波を描いているが、出力電圧波形は、8.2[V]まで上昇した後に6.6[V]まで下がるという細長い正弦波を描いている。
デジタルマルチ―メーターで測定した出力電圧の直流分と交流分からリップル率を求める。
直流分、交流分の電圧を示すと、直流分は、7.09[V]、交流分は、0.33[V]となった。
原理から、リップル率は、
γ=0.33/7.09×100=4.65[%]
よって、デジタルマルチメーターで測定した値から導いたリップル率は、4.65[%]となることがわかった。
4-5-2.全波の時の組合せ形平滑回路の測定
図33に全波の時の組合せ形平滑回路で測定した出力電圧波形と入力電圧波形を示す。
図33の半波の時の組合せ形平滑回路の測定では、入力電圧波形は、正弦波を描いているが、出力電圧波形は、11.6[V]で横軸に水平な直線を描いていることが読み取れる。
デジタルマルチ―メーターで測定した出力電圧の直流分と交流分からリップル率を求める。
直流分、交流分の電圧を示すと、直流分は、10.85[V]、交流分は、0.09[V]となった。
原理から、リップル率は、
γ=0.09/10.85×100=0.83[%]
よって、デジタルマルチメーターで測定した値から導いたリップル率は、0.83[%]となることがわかった。
4-6.結果のまとめ
整流回路と各平滑回路のリップル率と直流電圧の表を表5に示す。
5.考察
5-1.整流用の接合型ダイオードの静特性の測定
図25から整流用の接合型ダイオードの静特性について考察していく。図25から電圧がダイオードに対して正の方向にかけられたときに、電流は電圧に対して2次関数的に上昇していき、電圧がダイオードに対して負の方向にかけられたときには、電流は電圧がいくら変わっても全く変動せずに0[A]のままであることが読み取ることができる。この電圧を正にかけた時に電流が急激に大きくなり、電圧を正にかけた時に電流が0[A]のままになるということがダイオードの静特性だと考えられる。なぜ、このように電流が流れたり流れなかったりするのかは、考察課題の6-1で考察していく。
5-2.整流回路の測定
図26、27から整流回路の測定について考察していく。半波の時には、図26より出力電圧は、入力電圧よりも波形は小さくなり、入力電圧が負の値になるときには、出力電圧が0になることがわかる。これは、接合型ダイオードの静特性を用いて表されていると考えられる。5-1より、入力電圧が負の時には、電流が0[A]になるので、これを利用することで半波の波形を作っていると考えられる。全波の時は、図27より入力電圧よりも出力電圧の方が小さくなり、入力電圧が負の時には、出力電圧が正になることが読み取ることができる。これは、ダイオードをダイオードブリッジのように接続することによってこのような全波の波形になることが考えられる。
次に、デジタルマルチメーターのリップル率と図から読み取ったリップル率を比較する。半波の時は、デジタルマルチメーターのリップル率と図から読み取ったリップル率は、118[%]、121[%]、全波の時は、デジタルマルチメーターのリップル率と図から読み取ったリップル率は、49.5[%]、48.3[%]だった。このことから、全波の時の方が半波の時よりもリップル率が低くなり、より直流回路に近づいたと考えることができ半波の時よりも、全波の時の差が大きいと考えられる。この実験値と理論値に3[%]以上の誤差がなかったことから妥当であったと考えることができる。
5-3.コンデンサ入力形平滑回路の測定[5]
図28、29からコンデンサ入力形平滑回路の測定について考察していく。図28、29からコンデンサ入力形平滑回路は、電荷を蓄える機能を用いて平滑にしようとしていて、図28、29の正弦波に沿ったような形で上昇しているときが電荷を蓄えていて、右下方向に直線が引かれているところで放電を行うために図28、29のような図になる。また、コンデンサ入力平滑回路は、整流回路でまず整流させられるので、図26,27の影響を受けて、充電される波形である正弦波のように上昇する感覚が短くなることがわかる。
次に、デジタルマルチメーターのリップル率と図から読み取ったリップル率を比較する。
まずは、半波の時リップル率をの図28から読み取った値から求める。
リップル率は、原理より、出力電圧の最大値と最小値をV_max,V_min とすると、γ=(V_max-V_min)/*3, (参照 2021-11-03).
終わりに
参考になれば幸いです。(o*。_。)oペコッ
*1:-sin4π)/(4×2π)+(2A cos2π)/2π+(1/2+A^2 )-2A/2π)=V_m √(1/2+A^2 )
となる。
2-5-2.交流電圧の平均値[4]
交流電圧の平均値は、電圧の総和から平均時間を割ればいいので、交流電圧をv(t)、交流電圧の平均値をV_0、平均時間をTとおくと、
V_0=1/T ∫_0^T▒〖v(t)dt〗
となるので、最大電圧をV_m 、v(t)=V_m sinθ、T=πとすると、
V_0=1/T ∫_0^T▒〖V_m sinθ dθ=V_m/T [-cosθ ]_0^T=V_m/T (-cos〖π+cos0 〗 )=V_m/π×2=(2V_m)/π〗
よって、平均値は、〖2V〗_m/πになることがわかる。
2-6.リップル率
リップル率をγ、実効値をV_AC、出力電圧の平均値をV_DC、出力電圧の最大値と最小値をVmax、Vminとおく、
γ=V_AC/V_DC ×100 γ=出力電圧の交流分/出力電圧の直流分×10 γ=(V_max-V_min)/((V_max+V_min)/2)×1000
と表される。
2-7.ダイオードの特徴
2-7-1.点接地形ダイオード
点接触形ダイオードはゲルマニウム(Ge)、シリコン(Si)の小片に金属針や金属薄膜を接触させたもので、ショットキーダイオードともいう。接合容量が小さく、主に高周波用として用いられる。
2-7-2.接合型ダイオード
接合形ダイオードには合金形、拡散形、成長形等があり、点接触形に比べて接触面積が大きく、電流密度が 106(A/m2) でセレン(Se)等の 1000 倍以上の能力を持つため整流用に適している。次の式にダイオードの電圧、電流の関係を示す。
I=I_s (e^(eV⁄kT)-1)
Is:逆方向飽和電流、V:印加電圧、e:電子の電荷、k:ボルツマン定数、T:絶対温度(T)、I:電流
図11に点接合型ダイオードと接合型ダイオードの構造と記号を示す。
2-8.整流回路
交流を直流に変換することを整流という。一方向ににしか流さない整流素子には、半導体ダイオードや 2極真空管などがある。
2-8-1.半波整流回路
図12に半波整流回路の回路図と時間による電流と電圧の変化図を示す。
図12に示すように、トランスの2次側に生じる交流電圧vが性になる半周期の間だけ、ダイオードを通る電流が負荷抵抗RLを実践の矢印方向に流れる回路である。整流効率は良くなく、リップル率も大きくなる。回路構造が簡単であり、小容量の電源に使用される。
2-8-2.全波整流回路
図13に全波整流回路の回路図と時間による電流と電圧の変化図を示す。
図13に示すように、トランスの2次こうルノ中心にタップを設け、ダイオードを接続する。タップを基準に生じる交流電圧vの極性によって、半周期ごとに電流は、矢印の①、②に沿って切り替わるように流れるように、負荷抵抗RLには、全周期にわたって同一方向に電流が流れる。半波整流回路に比べて整流効率は良く、リップル率も少ない。
2-9.平滑回路
半波整流回路や全波整流回路の出力電圧は、周期的に脈動している。この波動波形を平均化する回路を平滑回路という。コンデンサ入力形、チョーク入力形、組合せ形などがある。
2-9-1.コンデンサ入力形
図14にコンデンサ入力型平滑回路の回路図と時間による電流と電圧の変化図を示す。
図14(a)のように、負荷抵抗R¬¬Lにコンデンサを並列に接続した回路をコンデンサ入力形といい、出力電圧voは同図(b)の上段のように変化し、ダイオードを流れる電流iは同図 (b)の下段のようになる。ωt1から ωt2の間でコンデンサは充電され、電源電圧viがコンデンサの端子電圧より低くなると、コンデンサは時定数CRL にしたがって放電する。ωt3になって電源電圧viがコンデンサの端子電圧voより高くなると再びコンデンサは充電される。この動作を繰り返すことにより、出力電圧は滑らかになる。全波整流回路では充放電の繰り返し周期が半波整流回路の半分となり、リップルが減少する。ダイオードに流れる電流は間欠的になる。実効値VACと出力電圧voの平均値(直流電圧)VDCとの比であるリップル率を次の式を示す。
γ=V_AC/V_DC ×100[%]
2-9-2.チョーク入力形と組み合わせ入力形
図15にチョーク入力形半波整流回路図と時間による電圧電流変化図、図16にチョーク入力形全波整流回路図と時間による電圧電流変化図、図17に組み合わせ入力形全並整流回路図を示す。
図15(a)に示す半波整流回路の負荷抵抗RLに直列にチョークコイルLを挿入すると、インダクタンスの働きによって半波整流波形は図15(b)のようになる。一方、図16(a)に示す全波整流回路にチョークコイルLを挿入した場合の全波整流波形は図16(b)のようになる.図15(b)、図16(b)からの結果が示すように チョークコイルLと抵抗RLだけでは十分な平滑波形は得られない。そのため、図17に示すようなチョーク入力形全波整流回路に平滑コンデンサCを加えた組み合わせ入力形全波整流回路が用いられる。
3.実験実施方法
3-1.実験手段
3-1-1.整流用の接合型ダイオードの静特性の測定
図18にダイオードの特性測定結線図を図19にダイオードの図を示す。
表1に整流用の接合型ダイオードの静特性の測定のときの電流計と電圧計の測定レンジと負荷抵抗RL。と電圧の間隔を示す
3-1-1-1.順方向特性測定
測定装置に図18(a)のように文字が書いてあるので図18(a)を参考にしながら、配線しダイオードを接続した。この時図19のダイオードの方向を意識して、接続を行い、R5Xに1[kΩ]の抵抗を探して、接続した。そして、電圧Ebbを変化させて、印加電圧VFを0.2[V]の間隔で0[V]から増加させて、電圧VFと電流IFを読み取った。この時、電流IFが30[mA]を超えない範囲で行った。
3-1-1-2.逆方向特性測定
測定装置に図18(b)のように文字が書いてあるので図18(b)を参考にしながら、配線してダイオードを接続した。この時、図19のダイオードの方向を意識して、接続を行い、R5Xに1[kΩ]の抵抗を探して、接続した。そして、電圧Ebbを変化させて、印加電圧VRを0.5[V]の間隔で0[V]から5[V]まで増加させて、電圧VFと電流IFを読み取った。
3-1-1-3.測定結果のまとめ
整流ダイオードの順方向特性、逆方向特性の測定結果を表にまとめて、V-I特性曲線を図示した。
3-1-2.整流回路の測定
3-1-2-1.ダイオードの整流特性の測定
図20にダイオードの整流特性の回路接続図を図21にオシロスコープの二股ケーブルを示す。
実験回路の図20にある電源スイッチS1をOFFにした。そして、図20のような接続になるように150[Ω]の抵抗を探して接続した。また、図21のケーブルのフック部分をCH1の場合は、図18の31の部分にあるフックに接続し、CH2の場合は、150[Ω]の抵抗の導線部分にひっかけて、もう一つのはさむ部分は、GNDに接続するようにした。次に、スイッチS2のレバーを半波の方向に倒して、オシロスコープの電源をONにした後に、電源スイッチS1をONにした。そうすると、オシロスコープに波形が写るので、入力電圧波形と出力電圧波形を観察し、手書きのグラフとUSBに記録した。記録が終わったら、デジタルマルチメーター(DMM)を抵抗が熱いことを気にしながら、抵抗の導線部分に針を接させて、出力電圧の直流分VDCと交流分VACを測定した。この時、VDCとVACの切り替えは、デジタルマルチメーターを操作して切り替えた。そして、スイッチS2のレバーを全波の方向に倒して、半波の時と同様に測定を行った。測定後に、観察波形を図示して、出力電圧の直流分と交流分の実効値を計算して、デジタルマルチメーターの測定値からリップル率と結果から求めたリップル率を比較した。
3-1-2-2.コンデンサ入力形平滑回路の測定
図22にコンデンサ入力形平滑回路の測定の接続回路図を図23に使用するコンデンサの図を示す。
スイッチS1をOFFにして、図22のように接続した。この時に、図23のコンデンサのように白い部分がマイナスの方向になるようにして、150[Ω]の抵抗を探して接続した。また、図21のケーブルのフック部分をCH1の場合は、図18の31の部分にあるフックに接続し、CH2の場合は、150[Ω]の抵抗の導線部分にひっかけて、もう一つのはさむ部分は、GNDに接続するようにした。その後、スイッチS2のレバーを半波の方向に倒して、電源スイッチS1をONにした。そうすると、オシロスコープに波形が写るので、出力電圧波形を観察し、手書きのグラフとUSBに記録した。記録が終わったら、デジタルマルチメーター(DMM)を抵抗が熱いことを気にしながら、抵抗の導線部分に針を接させて、出力電圧の直流分VDCと交流分VACを測定した。この時、VDCとVACの切り替えは、デジタルマルチメーターを操作して切り替えた。測定が終わったら、スイッチS2のレバーを全波の方向に倒して、半波の時と同様に測定を行った。
3-1-2-3.チョーク入力形平滑回路の測定
図24にチョーク入力形平滑回路の測定の接続回路図を示す。
スイッチS1をOFFにして、図24のような接続になるように150[Ω]の抵抗を探して接続した。また、図21のケーブルのフック部分をCH1の場合は、図18の31の部分にあるフックに接続し、CH2の場合は、150[Ω]の抵抗の導線部分にひっかけて、もう一つのはさむ部分は、GNDに接続するようにした。そして、スイッチS2のレバーを半波の方向に倒して、電源スイッチS1をONにした。そうすると、オスロスコープに波形が映し出されるので、出力電圧波形を観察し、手書きのグラフとUSBに記録した。その後、デジタルマルチメーター(DMM)を抵抗が熱いことを気にしながら、抵抗の導線部分に針を接させて、出力電圧の直流分VDCと交流分VACを測定した。この時、VDCとVACの切り替えは、デジタルマルチメーターを操作して切り替えた。そして、全波の測定をするために、スイッチS2のレバーを全波の方向に倒して、半波の時と同様に測定を行った。
3-1-2-4.組合せ形平滑回路の測定
図25に組合せ形平滑回路の測定の接続回路図を示す。
スイッチS1をOFFにして、図25のように接続した。この時に、図23のコンデンサのように白い部分がマイナスの方向になるようにして、150[Ω]の抵抗を探して接続した。また、図21のケーブルのフック部分をCH1の場合は、図18の31の部分にあるフックに接続し、CH2の場合は、150[Ω]の抵抗の導線部分にひっかけて、もう一つのはさむ部分は、GNDに接続するようにした。そして、スイッチS2のレバーを半波の方向に倒し、電源スイッチS1をONにした。そうすると、オシロスコープに波形が映し出されるので、出力電圧波形を観察し、手書きのグラフとUSBに記録した。その後、デジタルマルチメーター(DMM)を抵抗が熱いことを気にしながら、抵抗の導線部分に針を接させて、出力電圧の直流分VDCと交流分VACを測定した。この時、VDCとVACの切り替えは、デジタルマルチメーターを操作して切り替えた。そして、全波の測定をするために、スイッチS2のレバーを全波の方向に倒して、半波の時と同様に測定を行った。
3-1-2-5.結果のまとめ
各平滑回路の電圧波形を図示して、整流回路と各平滑回路のリップル率と直流電圧VDCを表にまとめた。
3-2.実験器具
表2に使用機器と器具の一覧を示す。
図26から図31に器具の図を示す。
4.実験結果
4-1. 整流用の接合型ダイオードの静特性の測定
4-1-1.順方向特性測定
表3に順方向特性測定の測定結果を示す。
4-1-2.逆方向特性測定
表4に逆方向特性測定の測定結果を示す。
4-1-3.測定結果まとめ
図32に表3と表4の測定結果を図として示す。
図32は、横軸を電圧、縦軸を電流として扱い、順方向を正、逆方向を負として、図に表されている。順方向の時は、ある程度電流が流れたら急激に電圧が上昇してしまうことがわかる。対して、逆方向の時は、電流が流れても一切電圧が変化しないことが読み取ることができる。
4-2.ダイオードの整流回路の測定
4-2-1.半波の時のダイオードの整流回路の測定
図26に半波の時にダイオードの整流回路の測定した出力電圧波形と入力電圧波形を示す。
図26の半波時のダイオードの整流回路の測定では、入力電圧波形は、電圧の正方向にも負の方向にも、上凸と下凸の波を作るが、出力電圧波形では、電圧が正の方向の時のみに、上凸の波を作り、入力電圧が、負の方向の時には、0[V]となることが読み取ることができる。
この図26の波形からリップル率を求める。
リップル率は、γ=実効値/出力電圧の平均値×100と求められるので、まずは、出力電圧の実効値Vaを求める。
原理より、Vm=17.6[V]、T=2πの時
V_a 〖=√(1/2π ∫_0^2π▒〖(V_m sinθ )^2 dθ〗)=V_m √(1/2π ∫_0^π▒〖〖sinθ〗^2 dθ〗+∫_π^2π▒0dθ)=V_m √(1/2π ∫_0^π▒〖(1-cos2θ)/2 dθ〗)=V〗_m √(1/2π [1/2 θ-sin2θ/4]_0^π )=V_m √(1/2π×π/2)=V_m/2=17.6/2
次に、出力電圧の平均値を求める。
原理より、Vm=17.6[V]、T=2πの時
V_0=1/2π ∫_0^2π▒〖V_m sinθ dθ=V_m/2π [-cosθ ]_0^π=V_m/2π (-cos〖π+cos0 〗 )=V_m/2π×2=V_m/π〗=17.6/π
実効値には、直流分が含まれているので交流分を引いた実効値VACは、
VAC=√(〖V_m/4〗^2-〖V_m/π^2 〗^2 )=V_m √(1/4-1/π^2 )=17.6√(1/4-1/π^2 )
リップル率γは、
γ=V_a/V_0 ×100=(17.6√(1/4-1/π^2
*2:2×17.8)/π)×100=(π√(1/2-4/π^2
*3:V_max+V_min)/2)×100と求められるので図28より、
γ=(18.2-14.6)/((18.2+14.6)/2)×100=(3.6×2)/32.8×100=21.95≒22.0[%]
よって、波形から読み取れる値から導いたリップル率は、22.0[%]となることがわかった。
次に、全波の時リップル率をの図29から読み取った値から求める。
リップル率は、原理より、出力電圧の最大値と最小値をV_max,V_min とすると、γ=(V_max-V_min)/((V_max+V_min)/2)×100と求められるので
γ=(17.6-16.0)/((17.6+16.0)/2)×100=(1.6×2)/33.6×100=9.523≒9.52[%]
よって、波形から読み取れる値から導いたリップル率は、9.52[%]となることがわかった。
半波の時は、デジタルマルチメーターのリップル率と図から読み取ったリップル率は、6.57[%]、22[%]、全波の時は、デジタルマルチメーターのリップル率と図から読み取ったリップル率は、2.9[%]、9.57[%]だった。このことから、全波の時の方が半波の時よりもリップル率が低くなり、より直流回路に近づいたと考えることができる。次になぜ図からの値とデジタルマルチメーターに差が生まれたのかを考える。デジタルマルチメーターで出力される線は、波であり振幅しているので正確な値を測ることができなかったのと、出力する際に損失が生まれたことによって正確な値が導き出せなかったからだと考えられる。また、手で値を測る線を動かすことによって、正確な値が導き出せなかったと考えられる。しかし、半波から全波を比べると、リップル率が小さくなっていることから間違ってはいないことがわかる。
5-4.チョーク入力形平滑回路の測定[6]
図30,31からチョーク入力形平滑回路の測定を考察していく。図30,31からチョーク入力形平滑回路では、半波の時は、入力電圧よりも出力電圧は遅れて出力されていて、図26のように負の電圧の時0[V]になるようになっている。全波の時は、出力電圧波形は、入力電圧の正弦波の周期に2つの周期が入り、入力電圧波形よりも小さい波形になっていると考えることができる。これは、コンデンサによって電流が平滑された結果だと考えることができる。まず、なぜ入力電圧より進むかは、交流電圧の時コイルの電圧は電流よりも90[°]早く進むので、入力電圧の波形の時に電流が平滑されて、それに伴い、出力電圧が前に進むと考えられる。次に、チョーク入力形平滑回路の出力特性を図34に示す。
図34から出力電圧は出力電流がある値を超えると変化が極めて小さくなっていることがわかる。このことから、電流が一定の値にならないと、電圧の直流分よりも交流分の方が大きくなって不連続になる為に、図30のようになり、ある一定の電流値を超えると、電圧の直流分の方が交流分よりも大きくなり、連続になるので図31のような図になることがわかる。
次に、デジタルマルチメーターのリップル率と図から読み取ったリップル率を比較する。
まずは、半波の時リップル率を図30から読み取った値から求める。
リップル率は、原理より、出力電圧の最大値と最小値をV_max,V_min とすると、γ=(V_max-V_min)/((V_max+V_min)/2)×100と求められるので
γ=(15.2-0)/((15.2+0)/2)×100=(15.2×2)/15.2×100=200≒200[%]
よって、波形から読み取れる値から導いたリップル率は、200[%]となることがわかった。
次に、全波の時リップル率を図31から読み取った値から求める。
リップル率は、原理より、出力電圧の最大値と最小値をV_max,V_min とすると、γ=(V_max-V_min)/((V_max+V_min)/2)×100と求められるので
γ=(15.6-6.4)/((15.6+6.4)/2)×100=(9.2×2)/22×100=83.6≒84[%]
よって、波形から読み取れる値から導いたリップル率は、84[%]となることがわかった。
半波の時は、デジタルマルチメーターのリップル率と図から読み取ったリップル率は、116[%]、200[%]、全波の時は、デジタルマルチメーターのリップル率と図から読み取ったリップル率は、29[%]、84[%]だった。このことから、全波の時の方が半波の時よりもリップル率が低くなり、より直流回路に近づいたと考えることができる。次になぜ図からの値とデジタルマルチメーターに差が生まれたのかを考える。デジタルマルチメーターで出力される線は、波であり振幅しているので正確な値を測ることができなかったのと、出力する際に損失が生まれたことによって正確な値が導き出せなかったからだと考えられる。また、手で値を測る線を動かすことによって、正確な値が導き出せなかったと考えられる。また、誤差が大きすぎることから、この計算方法が間違っていると考えられる。原理より、(V_max-V_min)/((V_max+V_min)/2)×100のこの式は、コンデンサの場合のみ用いることができるのではないかと考えられた。しかし、半波から全波を比べると、リップル率が小さくなっていることからおおよその結果は間違っていないとが得られる。
5-5.組合せ形平滑回路の測定
図32、33から組合せ形平滑回路の測定を考察していく。図32、33から半波の時は、振幅が小さいが、正弦波ができていて、全波の時は、横軸に平行な直線になっていることが読み取れる。これは、チョーク入力形平滑回路にコンデンサ入力型平滑回路を加えることでこのような回路を作ることができる。
次に、デジタルマルチメーターのリップル率と図から読み取ったリップル率を比較する。
まずは、半波の時リップル率を図32から読み取った値から求める。
リップル率は、原理より、出力電圧の最大値と最小値をV_max,V_min とすると、γ=(V_max-V_min)/((V_max+V_min)/2)×100と求められるので
γ=(8.2-6.6)/((8.2+6.6)/2)×100=(1.6×2)/14.8×100=21.6≒22[%]
よって、波形から読み取れる値から導いたリップル率は、22[%]となることがわかった。
次に、全波の時リップル率を図33から読み取った値から求める。
リップル率は、原理より、出力電圧の最大値と最小値をV_max,V_min とすると、γ=(V_max-V_min)/((V_max+V_min)/2)×100と求められるので
γ=(11.6-11.6)/((11.6+11.6)/2)×100=(0×2)/23.2×100=0≒0[%]
よって、波形から読み取れる値から導いたリップル率は、0[%]となることがわかった。
半波の時は、デジタルマルチメーターのリップル率と図から読み取ったリップル率は、4.65[%]、22[%]、全波の時は、デジタルマルチメーターのリップル率と図から読み取ったリップル率は、0.83[%]、0.0[%]だった。このことから、全波の時の方が半波の時よりもリップル率が低くなり、より直流回路に近づいたと考えることができる。次になぜ図からの値とデジタルマルチメーターに差が生まれたのかを考える。デジタルマルチメーターで出力される線は、波であり振幅しているので正確な値を測ることができなかったのと、出力する際に損失が生まれたことによって正確な値が導き出せなかったからだと考えられる。また、手で値を測る線を動かすことによって、正確な値が導き出せなかったと考えられる。しかし、実験値も図から求めた値もリップル率は半波よりも全波の方がちいさくなっているのでおおよそはあっていると考えられる。
5-6.まとめ
今回の実験では、図からの値と実験値のリップル率には差があったと考えられる。主な原因としては、オスロスコープの接続による損失や用いられた抵抗などに手垢や汚れがついていたことや熱によってコンデンサやコイルの抵抗が変化してしまったことなどがあげられる。また、理論値を求めるのに最適な計算方法ではなかったのも関係していると考えられる。このため、交流分の電圧に直流分が含まれたことで、理論値と実験値の誤差が生まれてしまったと考えられる。しかし、半波の時よりも全波の時の方がリップル率が低くなることは理論値と実験値共に起こっていたので、実験は成功していたと考えられる。
6.考察課題
6-1.p-n接合型ダイオードのそれぞれについて、熱平衡時、順方向バイアス印加時、逆方向バイアス印加時のエネルギーバンド図を示し、キャリア(電子、正孔)の流れについて述べよ。
熱平衡時、順方向バイアス印加時、逆方向バイアス印加時のエネルギーバンド図を、図35、図36、図37、として示す。
熱平衡の時
p-n接合型ダイオードの熱平衡時のエネルギーバンド図は、図35の時のような図になる。原理で説明したとおりに、p型半導体とn型半導体を接続すると、p型はn型の方向へ、n型は、p型の方向へキャリアが拡散していく。p型領域に達した電子は、正孔と再結合し、n型領域に達した正孔は、電子と再結合して消滅して、図4のような空乏層を作る。ドナー準位とアクセプタ準位には、電子が抜けたり、入ったりしたことで正と負が生まれ、それによって、電位が生じて、図4の上図から下図に変化する。そして、電子の存在確率が2分の1になるフェルミ準位が直線になるときに安定な状態である熱平衡状態に移行するようになる。この熱平衡状態を示した図は、図35である。
順方向バイアス印加する時
p-n接合型ダイオードの順方向バイアス印加時のエネルギーバンド図は、図36の時のような図である。まずは、p-n接合時の抵抗を考えてみると、p.n型には、キャリアがあるので、電気抵抗率は低く、空乏層の所は、キャリアがないので電気抵抗率が高いと考えられる。また、図35を見ても、直列に抵抗がつながっていると考えられるので、低抵抗と高抵抗の直列につながった抵抗と考えられる。低抵抗、高抵抗をR¬1、R2とおき、その低抵抗と高抵抗の電圧をV1、V2と考えると、順方向を正とする電圧Vをかけた時、
V_1=R_1/(R_1+R_2 ) V=R_1/R_2 1/((R_1/R_2 +1) ) V V_2=R_2/(R_1+R_2 ) V=1/((R_1/R_2 +1) ) V
と表される。R_2≫R_1の時に、V_1=0[V]、V_2=V[V]となり、高抵抗に電圧が多くかかるので、電圧がかかるときには、空乏層へすべての電圧がかかると考えられる。なので、順方向バイアスの時に電圧Vかかるとすると、図35から図36のように、拡散電圧Vdからかけた電圧Vが引かれてエネルギー障壁が低くなり、傾きが小さくなると考えられる。その結果、電子と正孔は、熱平衡状態の時よりもp型やn型に行く確率が高くなると考えられる。そのため、電子や正孔が移動して、電流が流れるということが起きるということがわかる。
逆方向バイアス印加する時
p-n接合型ダイオードの逆方向バイアス印加時のエネルギーバンド図は、図37の時のような図である。順方向の時と同様に、空乏層にすべての電圧がかかると考えられる。順方向を正とする電圧Vを考えると、逆方向に電圧をかけた時に、エネルギー障壁の電圧が増加して、エネルギー障壁が高くなることがわかる。そして、空乏層の傾きが大きくなると考えられる。これは、図35から図37の変化だと考えられる。そのため、電子と正孔は、熱平衡状態の時よりもp型やn型に行く確率が低くなり、電流が流れにくくなってしまうと考えられる。それを示したのが、図37である。
6-2.本実験で用いたダイオードを含む各種ダイオードの記号、特徴、用途を表にまとめよ。
本実験で用いたダイオードを含む各種ダイオードの記号、特徴、用途を表6に示す。
6-3.平滑回路において、コンデンサ入力型とチョーク入力型の出力波形が異なる理由について考察せよ。[5][6][7]
まずは、チョーク入力型の出力波形について考えていく。
図38、39にインダクタンス負荷の半波整流回路とインダクタンスがあるときの波形図を示す。
直流側の電圧Eは、L,Rで次のように表される。
E=v_L+v_R=L (di_d)/dt+Ri_d
図39に示したvRの波形は、v_R=Ri_dなので、電流i_dと同じ波形を示すことがわかる。抵抗の電圧は、θ_mで最大になることがわかる。このことから、電流の値も最大になり、定数になるので、コンデンサの電圧は、L (di_d)/dt=0となる。この位相を起点にして、θ_mに至るまでにインダクタの電圧は、図39に示した通りにインダクタンスに電圧が蓄積していて、これ以降は放出するようになる。そのため、θ=πとなって、電圧Eが、0[V]になっても、インダクタンスの電圧が残っている影響で、抵抗Rに電圧が加わることになり、θ=π+βになるまで抵抗の電圧の波形が伸びることになる。そのために、電圧Eの波形よりも小さく、位相が長い波形になる。
次にコンデンサ入力型の出力波形について考えていく。
図40にコンデンサの入力整流回路の電圧図を示す。
図40で示した通り、抵抗の電圧の波形図は、入力電圧が、直流電圧の平均値Ebよりも高い時にコンデンサが充電されて、その時の波形は、入力電圧と同じ波形になる。しかし、入力電圧が直流電圧の平均値よりも小さくなったら、コンデンサは、放電を行うので、右斜め下の1次直線になる。それが繰り返されることによってコンデンサの入力型の出力波形が作られる。
このようなことから、コンデンサ入力型とチョーク入力型の出力波形が異なる理由は。コンデンサ入力型は、直電圧の平均値よりも高いところで電気を溜めて、低いところで放電することで出力電圧波形に影響を与えている。しかし、チョーク入力型は、抵抗の最大値になるまでインダクタンスが充電されて、その後には蓄えられたインダクタンスの電圧の影響を抵抗が受けることで、位相が入力電圧よりも長くなるというような違いがあるから、コンデンサ入力型とチョーク入力型の出力波形が異なると考えられる。
7.参考資料
[1]澤岡昭:電子・光材料[第2版新装版]基礎から応用まで,p84-88,森北出版株式会社,2020年, 第2版新装版第1刷.
[2] "不純物準位[エレクトロニクス]", 情報・知識 imidas 2018, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-11-03).
[3]金原粲,加藤政一, 和田成夫, 佐野雅敏, 鷹野致和, 田井野徹, 高田進:専門基礎ライブラリー電気回路改訂版,p50,実教出版株式会社,2019年,第3刷.
[4] 金原粲,加藤政一, 和田成夫, 佐野雅敏, 鷹野致和, 田井野徹, 高田進:専門基礎ライブラリー電気回路改訂版,p117,実教出版株式会社,2019年,第3刷.
[5] Parasonic,制御機器知恵袋,リレー関連情報,直流コイルの入力電源とリップル率について, 2015年02月25日、「直流コイルの入力電源とリップル率について (panasonic.co.jp)」, (参照 2021-11-03).
[6] 山本昌志,Yamamoto’slaboratory,2005年10月21日,「2 原理 (yamamo10.jp)」, (参照 2021-11-03).
[7]森元雅之:よくわかるパワーエレクトロニクス,p65-66,p69-71,森北出版株式会社,2016年,第1版第1刷.
[8] Electrical Information,「ダイオードの『種類』と『特徴』と『記号』について!」,(ダイオードの『種類』と『特徴』と『記号』について! (detail-infomation.com
【大レポ】FETによるCR増幅回路
- 始めに
- 注意
- レポート:FETによるCR増幅回路
- 1.実験目的
- 2.原理
- 3.実験実施方法
- 4.実験結果
- 5.考察
- 6.考察課題
- 7.参考文献
- 終わりに
始めに
「FETによるCR増幅回路」の時のレポートを載せます。
注意
※丸写しはやめてください
※レポートが正しくない可能性があるので注意してください
レポート:FETによるCR増幅回路
1.実験目的
FETを用いたソース接地CR結合小信号増幅器を使って実験することで、ソース接地CR結合小信号増幅器の基本特性や電圧増幅度の周波数特性の測定から動作原理を理解する。
2.原理
2-1.FETとバイポーラトランジスタ[1][2]
FETとは、field-electric-transistorの略で電界効果トランジスタという。電界により空乏層の厚さを変えることにより、ソースとドレインの2つのゲート間のコンダクタンスを変えて電流を抑制するトランジスタである。このトランジスタは、入力電圧が高いという特徴があり、増幅作用とスイッチングの作用がある。そのため、スイッチングの速度は速く、消費電力が少ないのでスイッチングの用途として用いられる。
バイポーラトランジスタとは、n型半導体とp型半導体の3層構造で構成された素子の事である。そして、英語のbipolar junction transistorを略して、BJTと呼ばれる。これには、pnpトランジスタ、npnトランジスタの2種類が存在する。このトランジスタは、小さなベース電流又は、ベースエッミタ間電圧で電流を変化させることができ、主に増幅作用として用いられる。
2-2.J-FETとMOS-FETの違い[3][4]
J-FETとは、接合型電界効果トランジスタの事である。このトランジスタには、nチャンネルの時と、pチャンネルの時がある。nチャンネルの時のJ-FETの動作原理図を図1に示す。
J-FETは、電圧Aが大きくなるほど、p型半導体の正孔が電圧Aに引き付けられ、n型半導体の電子が反発して空乏層を作る、これが原因となって、電子が通る幅が小さくなることで電流が流れにくくなる。このようにして、J-FETは、電圧で電流を制御する。
つぎに、MOS-FETについて説明する。MOS-FETとは、電界効果トランジスタの事である。このトランジスタには、エンハンスメント型とディプレッション型があり、nチャンネルの時と、pチャンネルの時がある。nチャンネルの時のMOS-FETの動作原理図を図2に示す。MOS-FETは、p型半導体の不純物を調整することによって、電子を入れることができる。電圧Aが大きくなるほど、p型半導体の正孔が、反発し、電子が引き寄せられることによってn型半導体が形成される。これによって、ドレインとソースが導通して電流が流れることができるようになる。このように,MOS-FETには、3段階があり、遮断領域、非飽和領域、飽和領域があり、非飽和領域では、ドレイン電流が二次関数的に増加していくが、飽和領域になると電流Aが変化してもほぼ一定の値になる。
これらの事から、J-FETは、電圧の変化によって生まれた空乏層によって電流を制御していて、MOS-FETは、p又はn型半導体に、反転層を形成することによって電流を導通するというような違いが分かった。また、MOS-FETは、J-FETとは異なり、エンハンスメント型とディプレッション型の2種類がある。そして、J-FETが逆方向バイアスになっているのに対して、順方向バイアスになっているというような違いが生まれることがわかった。
2-3.nチャンネル型とpチャンネル型のFETの違い
nチャンネル型とpチャンネル型のFETの違いについて考えると、一つ目は、電流の流れる向きだと考えられる。図1,2を見ると、nチャンネルの時は、電源からの電流がドレインからソースに流れるということがわかる。pチャンネルの時を考えると、図1,2のn型半導体とp型半導体が逆になり、p型半導体の正孔が動く方向が電流になるので、電源からの電流がソースからドレインに流れるということがわかる。このことから、nチャンネル型とpチャンネル型のFETは、電流の向きが違うということがわかる。2つ目は、J-FETとMOS-FETの記号が違うということである。図3にJ-FETとMOS-FETのnチャンネル型とpチャンネル型の図を示す。
図3のようにnチャンネル型の時は、右向きの矢印、pチャンネル型の時は、左向きの矢印となっている。これは、電圧をかける方向によって矢印が変化している。このことから、nチャンネルとpチャンネルで矢印の方向が違う記号図で表されることがわかる。
2-4.ディプレッション型とエンハンスメント型のFETの違い[5][6]
図4にnチャンネルの時のディプレッション型とエンハンスメント型のFETの記号とゲートソース電圧を横軸にドレイン電圧を縦軸にした変化図を示す。
ゲートソース電圧とドレイン電流の関係の中で0[V]から電流が変化していくのをエンハンスメント型といい、電圧が0[V]から始まるのではなく、遮断電圧という負の状態の電圧から正の方向に電流が増加していくのをディプレッション型という。このことから、エンハンスメント型は、電圧が0[V]から始まり、ディプレッション型は負の電圧の遮断電圧から始まって増加するという違いがあることがわかる。今回のソース接地CR結合小信号増幅器を用いた実験では、ディプレッション型FETを用いて実験を行う。
2-5.ACカップリング機能とDCカップリング機能の違いと存在意義[7][8]
ACカップリング機能とは、AC(交流)成分とDC(直流)成分を含む信号からDC成分を除去してAC成分のみにする機能である。この機能によって、差動入力回路の誘電電圧を0[V]にすることができるため、他の回路につなげて送る際には、オフセット電圧が影響しないようにすることができる。また、入力のDC成分が大きくても、増幅回路では、測定したい交流信号を大きく増幅できるので、測定誤差を小さくすることができる。DCカップリング機能とは、ACカップリング機能とは異なり、AC成分とDC成分の両方を含む信号をそのまま測定する機能である。信号周波数が低くても振幅や位相の測定誤差が小さいため、低周波1[Hz]以上でも測定することができる。しかし、信号が変化したとき、交流結合による過渡応答がないので応答が速くすることができる。
このことから、ACカップリング機能とDCカップリング機能の違いは、ACカップリング機能は、交流成分
のみを測定することができ、オフセット電圧が影響しなく、直流成分が大きくても誤差が少なく測定できる。対して、DCカップリング機能は、交流成分と直流成分の両方の成分を測定することができ、低周波数1[Hz]以上を測定することができて、信号の変化を早く見ることができることが違いだと考えられる。
ACカップリング機能とDCカップリング機能の意義においては、ACカップリング機能は、直流成分が大きくても誤差が少なく測定でき、オフセット電圧が影響しないことであり、DCカップリング機能は、低周波1[Hz]以上を測定でき、変化を早く見ることができることである。
2-6. ソース接地CR結合小信号増幅器の動作原理
図5にソース接地CR結合小信号増幅器の回路図を示す。この動作原理では、交流信号を小文字で表記し,そのうちの直流成分を大文字で,交流成分を小文字に Δを付して表記する.
2-6-1.トランジスタ動作の動作点
ソース接地CR結合小信号増幅器の回路は,バイアス抵抗 𝑅1,𝑅2 によって定められるバイアス電位によって設定された J-FET の動作点の近傍において,入力電位 𝑣i を増幅する回路である。
J-FET におけるゲートのバイアス電位 𝑉𝑔 は,
V_g=R_1/(R_1+R_2 ) V_DD [V]
となる.入力電位 𝑣i の直流成分は,キャパシタ 𝐶1 によってカットされる.そのため,バイアス電位 𝑉gに入力電位𝑣iの交流成分が加算されたものがゲートに印加される。
2-6-2.J-FETの各ノードの直流電位の関係
この回路で使用しているJ-FET(2SK369)の静特性を図6に示す。図7にはJ-FETの動作点Qにおける(a)相互コンダクタンス𝑔mと(b)ドレイン抵抗𝑟d,(c)ゲート-ソース間電圧𝑉gsQとドレイン電流IdQの関係を示す。本回路で用いている N チャネル J-FET のようにゲートよりソースの電位が高いときには 𝑉gsの符号が負となる.。
動作点(入力電位を 0 とした場合の定常状態)における J-FET の各ノードの電位や電流の
関係を説明する。ソース電位 𝑉s は,ゲート電位 𝑉g よりもゲート-ソース間電圧𝑉gs = 𝑉g – 𝑉sだけ低い値をとる。すなわち、
V_s=V_g-V_gs [V]
となる。
ソース電流isは、オームの法則より
I_s=V_s/R_s =(V_g-V_gs)/R_s [A]
となる。この式は、ハイパスコンデンサCSを接続していなくても成立するので注意する必要がある。
ドレイン電圧Vdは、電源電圧VDDからRd両端の電位差(Rd による電圧降下)を引いた値となるので、Id=Isであることから、
V_d=V_DD-I_d R_d=V_DD-I_s R_d
と表される。
2-6-3.交流電圧増幅度(ハイパスコンデンサCsを接続しない場合)
信号に含まれる交流成分の電圧増幅度を(交流利得)を求める。
入力幅に入力電圧が印加されると,前述の通り,このうちの直流成分は結合コンデンサC1によってカットされ、入力電位の交流成分のΔ𝑣I と𝑉g との和がゲートに印加される。入力電位の交流成分がゲート電位に比べて十分小さい(Δ𝑣i ≪ 𝑉g) とき,Δ𝑣i によって生じるソース電流の交流成分Δ𝑖s は,
∆i_s=(∆v_i)/R_s [A]
となる。
また、ドレイン電流の交流成分をΔ𝑖d とすると,ドレイン電位の交流成分Δ𝑣d は、
∆v_d=-∆i_d R_d [V]
よって、∆i_s=∆i_dであることから、
∆v_d=-∆i_d R_d=-∆i_s R_d=R_d/R_s ∆v_i [V]
となる。
一方、出力電圧の交流成分Δ𝑣o は Δ𝑣d と等しいので,∆i_sを∆v_dの式に代入すると、
∆v_0=∆v_d=R_d/R_s ∆v_i [V]
となる。
よって、本回路の交流電圧増幅度Avは、
A_v=(∆v_0)/(∆v_i )=-R_d/R_s
となる。つまり、FET ソース接地増幅回路の電圧増幅度 Av は、JFETのゲートソース電圧(vgs)や相互コンダクタンス(gm)などに関係なく、Rd と Rs の比だけで決まる。
2-6-4.交流電圧増幅度(ハイパスコンデンサCsを接続する場合)
図8にFETのソース接地等価回路を示す。
ソースにハイパスコンデンサCsを接続する場合は、FETの等価回路を用いて電圧増幅率を求めることができる。
入力抵抗Ri は、R1 とR2 の並列抵抗として、ゲート・ソース間に挿入され、ドレイン・ソース間には、FET固有のドレイン抵抗 rd 、負荷抵抗 Rd 、本回路の後段に接続される測定系(オシロスコープ,電子電圧計など)の入力抵抗 RL が、並列に挿入される。RAL は、Rd とRL を合わせた交流負荷でる。
ドレイン電流の交流成分Δ𝑖d は,J-FETの相互コンダクタンス 𝑔m を用いて
∆i_d=g_m ∆v_gs [V]
と表される。
この等価回路において,Δ𝑣g は Δ𝑣i に等しいため,出力電位の交流成分 Δ𝑣0 は負荷抵抗 𝑅dを用いて考えると、
∆v_0=-g_m ∆v_gs (1/r_d +1/R_AL )^(-1)=-g_m 〖r_d R〗_AL/(r_d+R_AL ) ∆v_i [V]
となり、ゆえに電圧増幅度Av は、
A_v=(∆v_0)/(∆v_i )=-g_m 〖r_d R〗_AL/(r_d+R_AL )
となる。R_d≪R_L より、R_AL=(1/R_d +1/R_L )^(-1) ≈R_d、また R_d≪r_d~1MΩ から
A_v=-g_m 〖r_d R〗_d/(r_d+R_d )=-g_m R_d/(1+R_d/r_d )≈-g_m R_d
と近似できる。
2-6-4.ハイパスコンデンサCSの役割
バイパスコンデンサ𝐶s を接続した場合,ソースは交流的には接地されてソース接地回路となる。そ の場合,ソースの交流電位は 0[V]となり(𝛥𝑣s = 0)、交流入力電位によって時間変化させない役割を持つ。
2-6-5. ソース接地CR結合小信号増幅器におけるカットオフ周波数
本回路は、3個のキャパシタ(C1、C2、CS)が接続されている。る.それに加え,J-FET の各端子間にはそれぞれ容量成分(Cgs、Cgd、Cds)が発生する。これらのキャパシタによるフィルタ特性が存在する。これらのフィルタのカットオフ周波数は以下の通りになる。
低域カットオフ周波数はキャパシタC1、C2、CSに依存して決まるが、実際には主に最も大きな容量 を必要とするCS によって以下のように決まる。
f_L=(1+g_m R_S)/(2πC_s R_s ) [Hz]
また、ゲート入力回路における低域カットオフ周波数は,入力容量C1 と入力抵抗Ri によって以下のように示す。
f_L=1/(2πC_1 R_i ) [Hz]
高域カットオフ周波数はゲート・ソース間に存在する容量Cgs (60pF程度)と入力抵抗Ri によって以下のように示す。
f_H=1/(2πC_gs R_i ) [Hz]
3.実験実施方法
3-1.実験方法
図9、10、11にブレットボード上での回路の配線例、使用するコンデンサの図、2SK369の外観図を示す。
3-1-1.ブレットボード上での回路作成
まず用意してある抵抗とキャパシタをデジタルマルチメーターで測定した。測定した抵抗の値が、図4の抵抗の値であるR1 =150[kΩ]、R2 =10[kΩ]、Rd =6.2[kΩ]、Rs =1[kΩ]に近い値がどれか探した。また、図4のキャパシタの値であるC1=C2=C4=10[μF]、C3=0.1[μF]に近い値がどれか探した。そして、CSは測定できないので、キャパシタに書いてある文字からCSを選んだ。図4の回路が構成できるように、図9のような回路構成になるように回路を作った。この回路を作った時に、図10の白い部分がマイナスになるように構成して、図11のドレイン、ゲート、ソースを見ながら位置を確認して行った。
3-1-2.回路基本特性の測定
3-1-1で製作した回路に直流電源装置,ファンクションジェネレータ,オシロスコープを接続した。そして、直流電源装置とファンクションジェネレータは出力を最小レンジとしてから電源を入れて、直流電源装置の出力電圧を 15 V に設定した。
3-1-2-1. 動作点におけるゲート,ソース,ドレイン電位の計測と,電流の算出
動作点である入力を0[V]とした際のゲート電位,ソース電位,ドレイン電位を直流電源モードのテスターで計測した。その後に、ゲート電圧の理論値を出して、実験値と比較し、図5のグラフと比較して、ソース電位,ドレイン電位が妥当な値になっていることを確認した。そして、電位差からドレイン電流,ソース電流を計算で求めて、相互コンダクタンスgmを算出した。
3-1-2-2. 入力印加時のゲート,ソース電位の観察
入力を印加した際のゲート電位とソース電位をオシロスコープで観察した。チャネル1は、ゲート電位,チャネル2はソース電位を計測電圧になるように意識した。いずれもAC モー ドで記録し,キャプチャした。この作業をCsありの時とCsなしの時の2回行い、入力信号の周波数を1[kHz]になるようにした。
3-1-2-3. 入出力電位の関係の観察
CSなしで計測波形のキャプチャはDCモードで行う条件で入力電位と出力電位を観察した。その際には、出力電位が飽和していないとき、負の部分が飽和しているとき、正の部分が飽和しているときの3段階の入力電位と出力電位をキャプチャした。この際に、入力電圧を記録した。その後に、出力電位が飽和していないとき、負の部分が飽和しているとき、正の部分が飽和しているときの3段階のドレイン電位とソース電位の波形をキャプチャした。この際に、ソース電位とドレイン電位の値を記録した。そして、入力信号の周波数を高くしたときのソース電位とドレイン電位の変化を記録した。
3-1-3. 電圧増幅度の周波数特性の計測
図12に増幅回路の周波数特性のための配置図を示す。
図12のように小信号増幅回路に直流電源装置、ファンクションジェネレータ、入力用と出力用の電子電圧計、オシロスコープを接続した。ブレッドボードは端子付シャーシに収納し、ファンクションジェネレータ、電子電圧計、オシロスコープへの接続はBNCケーブルで行った。.直流電源装置とファンクションジェネレータは出力を最小レンジ、電子電圧計は最大レンジにしてから電源を入れて、直流電源装置の出力電圧を15[ V]に設定した。そして、入力電圧vi の振幅を40[mV]程度で一定とし,周波数を10[Hz]から1[MHz]までで,出力電圧voを測定した。この際に、出力が飽和していないことを確認して行った。この測定は、CSがある時とない時の2回行った。その測定が終わったら、計測結果を表にまとめて、片対数グラフに横軸を周波数f、縦軸を出力電圧として描画した。また、縦軸を出力電圧の増幅度の絶対値|A_v |にして、表とグラフにして描画し、増幅度が、1⁄√2 となる低域および高域のカットオフ周波数をグラフから読み取り,グラフ中に記載した。また,この値と理論値とを比較し,評価した。
3-2.実験装置
表1に使用機具・器具の一覧を示す。
4.実験結果
4-1.抵抗とキャパシタの実測値と理論値
表2に抵抗とキャパシタの理論値と実測値を示す。
4-2.動作点におけるゲート、ソース、ドレイン電位の計測と電流の算出
入力が0の時のテスターで測定したゲート電位Vgは、0.93[V]、ソース電位VSは、1.36[V]、ドレイン電位Vdは、6.54[V]となった。また、電源は、14.93[V]であるので、
実験値のゲート電圧は、原理より
V_g=R_2/(R_1+R_2 ) V_DD=(10.01×10^3)/*1/(1.002×10^3 )≒1.3572×10^(-3)≒1.36×10^(-3) [A]
ドレイン電流を求めると、
I_d=V_d/R_d =(V_DD-I_s R_d)/R_d =(14.93-1.3572×6.2×10^3×10^(-3))/(6.2×10^3 )≒1.05086×10^(-3)≒1.1×10^(-3) [A]
ドレイン・ソース電圧を求めると、
V_ds=V_d-V_s=6.54-1.36≒5.18[V]
表3にゲート、ソース、ドレイン電位、電流、ソースドレイン電位、ゲートソース電圧を示す。
相互コンダクタンスgmを求める。
図13にゲートソース電圧とドレイン電流の図を示す。この時のドレインソース電圧は、5.18[V]とする。
相互コンダクタンスgmは、図12の曲線上の動作点Qの傾きなので、
g_m=(dI_d)/(dV_gs )=(6.5×10^(-3))/0.5≒13×10^(-3)=13×10^(-3)
4-3.入力印加時のゲート、ソース電位の観察
図14、図15 にCsありとなしのゲート、ソース電位の波形の図を示す。
図14では、ソース電位が、ゲート電位に波形が追従している。対して、CSを付けた時の図14では、ゲート電位は、図15のように変化しているが、ソース電位は、変化が見られなくほぼ直線の波形になっている。
4-4.入出力電位の関係の観察
図16、17、18に出力電位が飽和していないときの入力電位と出力電位の波形、出力電位の負の部分が飽和しているときの入力電位と出力電位の波形、出力電位の正の部分が飽和しているときの入力電位と出力電位の波形を示す。また、図19、20、21、22には、出力電位が飽和していないときのドレイン電位とソース電位の波形、出力電位の負の部分が飽和しているときのドレイン電位とソース電位の波形、出力電位の正の部分が飽和しているときのドレイン電位とソース電位の波形、周波数を高くしたときの出力電位の正の部分が飽和しているときのドレイン電位とソース電位の波形を示す。
4-4-1.出力電位の状態による入出力電圧と増幅率
表4に出力電位の状態による入出力電圧と増幅率を示す。
出力電位が飽和していないときの入出力電圧
入力電圧Vinは、0.42[V]、出力電圧Voは、2.64[V]であるので、増幅率Au1は、
A_u1=V_o/V_in =2.64/0.42=6.28≒6.3
出力電位の負の部分が飽和しているときの入力電圧Vinは、0.74[V]であり、 出力電位の正の部分が飽和しているときの入力電圧Vinは、1.41[V]となった。
4-4-2. 入出力電位の関係の観察の時のドレイン、ソース電圧
表5に出力電位の状態によるドレイン、ソース電圧を示す。
出力電位が飽和していないときのドレイン電圧は、2.72[V]、ソース電圧は、0.40[V]、出力電位の負の部分が飽和しているときのドレイン電圧は、4.59[V]、ソース電圧は、0.68[V]、出力電位の正の部分が飽和しているときのドレイン電圧は、5.69[V]、ソース電圧は、0.86[V]となった。
4-5.電圧増幅度の周波数特性の計測
表7、表8にCSがある状態とない状態の周波数による出力電圧と増幅度の変化を示す。増幅率は、A_v=v_0⁄v_i で求めた。
表7,8を用いて片対数グラフに横軸を周波数、縦軸を増幅度とした図を図23、図24に示す。また、増幅度が1⁄√2倍になるカットオフ周波数を図上に示す。
図21、22より、CSがない時のカットオフ周波数は、1.4×105[Hz]、CSがある時のカットオフ周波数は、22[Hz]と1.7×105[Hz]となった。また、図21と22を比べてみると、図21は、低域の際には、増幅度が6.0の所で一定になっているが、周波数が上昇し、2.0×10^4 [Hz]を超えると増幅度が減少していくのが読み取れる。対して、図22では、周波数が低域の際には、ある一定の値まで増幅度が上昇して、高域になった際にも、5×104[Hz]を超えてから周波数が上がるにつれて減少していくのが読み取ることができる。
理論値を求める。
(1)低域のカットオフ周波数
原理より、低域のカットオフ周波数は、
f_L=1/(2πC_1 R_i ) [Hz]
で求められて、C_1=8.80×10^(-6) [F]、抵抗は、R1とR2の並列接続した合成抵抗なので
R_i=(1/R_1 +1/R_2 )^(-1)=(R_1 R_2)/(R_1+R_2 )=(149.8×10^3×10.01×10^3)/(149.8×10^3+10.01×10^3 )≒9.383×10^3=9.383[kΩ]
よって
f_L=1/(2πC_1 R_i )=1/(2π×88.0×10^(-6)×9.383×10^3 )=1.9104≒1.91[Hz]
また、低域のカットオフ周波数は、
f_L=(1+g_m R_S)/(2πC_S R_S )
と表される。抵抗の実験値より、RS=1.002×10^3 [Ω]、CS=100×10^(-6) [F]であるので、
概論値である g_m≒14×10^(-3)から低域のカットオフ周波数を求めると、
f_L=(1+g_m R_S)/(2πC_S R_S )=(1+14×10^(-3)×1.002×10^3)/(2π×100×10^(-6)×1.002×10^3 )≒23.87≒24[Hz]
原理より、高域カットオフ周波数は
f_H=1/(2πC_gs R_i ) [Hz]
で求められて、Cgs=100×10^(-12) [F]、R_i=9.383[kΩ]なので、
f_H=1/(2πC_gs R_i )=1/(2π×60×10^(-12)×9.383×10^3 )=282700=2.8×10^5 [Hz]
5.考察
5-1.回路の基本特性の計測
5-1-1.動作点におけるゲート、ソース、ドレイン電位の計測と電流の算出
相互コンダクタンスgmの実験値と概略値を比較する。
まずは、相互コンダクタンスgmの実験値を求める。
低域のカットオフ周波数は、22[Hz]、CS=100×10^(-6) [F]、RS=1.002×10^3 [Ω]となる。
原理より、低域のカットオフ周波数は、
f_L=(1+g_m R_S)/(2πC_S R_S )
となるので、相互インダクタンスは、
g_m=(〖2πC_S R_S f〗_L-1)/R_S =(2π×100×10^(-6)×1.002×10^3×22-1)/(1.002×10^3 )≒0.01282≒13×10^(-3)
相互インダクタンスの概略値は、13×10^(-3)であるので、相互コンダクタンスgmは、一致していると考えられる。これらの事から、動作点における、るゲート、ソース、ドレイン電位の計測は、成功したと考えることができる。
5-1-2.入力印加時のゲート、ソース電位の観察
図14、15には、CSありの状態のなしの状態のゲート、ソース電位の波形が示されている。図14を見ると、ソース電位がゲート電位に追従しているのを見て取ることができる。図15を見ると、ゲート電位は、図14と同じような波形を示しているが、ソース電位は、入力の交流変動によって変化していないことがわかる。このソース電位の波形が変化しないのは、接続したバイパスコンデンサCSの作用だと考えられる。バイパスコンデンサは、交流成分と直流成分の混じった波から交流成分だけ抜き出し、並列に接続している電位のソース電位の交流成分が無くなったことで直流のみになり変化しなかったと考えられる。
5-1-3.入力電位の関係の観察[11]
出力電位と入力電位の波形を図16から18に示している。入力電位の波形を大きくすると伴って、飽和しない状況と、負の部分が飽和する状況と、正の部分が飽和する状況の3つの状況になっている。また、ドレイン電位とソース電位の図も図19から21に示している。この時も、3つの状況がある。なぜ、正方向や負の方向にひずむのかを考えると、それは、ドレインソース電圧が上昇することによっておこると考えられる。ドレインソース電圧は、飽和してないときには、2.72-0.4=2.32[V]、負の部分が飽和しているときは、4.59-0.68=3.91[V]、正の部分が飽和しているとき、5.69-0.86=4.83[V]とドレインソース電圧が上昇するにつれて飽和する変化することがわかる。MOSFETの負荷抵抗の図を図25に示す。また、図25のVDD/2の動作点をVDSQ、この時のドレイン電流をIDQとおく。図23の動作点は、ドレインソース電圧の変化によって変化する。なので、それを説明するためにドレインソース電圧が、VDD/2の時の波形とドレインソース電圧がVDSQよりも大きい時の波形を図26、27に示し、ひずんだ出力波形を図28に示す。
この図26から28より、ドレインソース電圧が大きくなることによって動作点が移動して、VDSが。VDD/2より大きくなる時に、負の部分が飽和されてひずみが発生することが考えられる。また、入力振幅が大きくなりすぎると、増幅することができる限界までに達して、正の部分が飽和されてひずんでしまうと考えられる。
次に、高周波にするとどうなるかを考える。図22を見ると、周波数が大きくなると、波形の数が大きくなることがわかる。周波数をfとする時、角周波数ωとの関係式ω=2πfをふまえて考えると、、周波数fが大きくなることで、角周波数が大きくなり、波形の数が増えたと考えられる。
5-2.電圧増幅度の周波数特性の計測
CSがない時のカットオフ周波数は、1.4×105[Hz] CSがある時のカットオフ周波数は、22[Hz]と1.7×105[Hz]となった。ゲート入力回路における低域のカットオフ周波数は、1.91[Hz]、相互インダクタンスとコンデンサCSを用いた低域のカットオフ周波数は、24[Hz]になった。また、高域カットオフ周波数は、2.8×10^5 [Hz]となった。相互インダクタンスを用いてない低域のカットオフ周波数と実験値を比べてみても、約20[Hz]という大きな差が生まれている。対して、相互インダクタンスを用いた低域のカットオフ周波数は、約2[Hz]くらいの差であり、相対誤差で比べてみると、
|22-24|/24×100=8.33≒8.3[%]
となり、比較的妥当な誤差だと考えることができる。また、高域のカットオフ周波数では、1.0×105[Hz]もの差が生まれてしまい、相対誤差を求めてみると、
|2.8×10^5-1.7〖×10〗^5 |/(2.8×10^5 )×100=39.28≒39[%]
このように、約40[%]もの誤差が生まれてしまうということがわかる。この誤差の原因として3つ考えられる。
1つ目は、実験どおりに飽和が完璧にしていない状態で測定できなかったことが考えられる。
これは、5-1-3で示したように出力電圧が飽和してしまうと、ひずみが生まれてしまいひずみのない正弦波を用いることができないために、正確な値が測定できないことがわかる。このため、理論値と実験値に差が生まれてしまったと考えられる。なぜ、飽和することができなかったのかを考えると、オシロスコープに接続するプローブの接続する場所が異なっていたことや、しっかりと波形を見ることができていなかった可能性が考えられる。
2つ目は、ゲートソース間の容量が間違っている可能性である。この実験では、60[pF]となっているが、その値は、測定れていなく不確定な値である。また、ゲートソース間の容量は、100[pF]で計算すると、高域のカットオフ周波数は、
f_H=1/(2πC_gs R_i )=1/(2π×100×10^(-12)×9.383×10^3 )=169620=1.7×10^5 [Hz]
このように、1.7×10^5 [Hz]となり、CSがある時とない時のカットオフ周波数に近い値なので、60[pF]が間違っている可能性があると考えられる。
3つ目は、回路において他の素子が増幅度に影響を与えてしまいカットオフ周波数が、f=1/2πCRで簡単に表すことができない可能性である。このf=1/2πCRで表される式はCR回路のカットオフ周波数を表す式である。このCR回路には、電源のほかに抵抗が1個、キャパシタが1個の場合が考えられている。しかし、このソース接地CR結合小信号増幅器では、抵抗が、4個、キャパシタが4個または5個、電源電圧や微小な交流電圧まで加わりCR回路と比べて複雑になっていることがわかる。このため、様々な素子が影響することによって増幅度に変化をもたらしてしまったと考えられる。その結果、実験値と理論値に差が生まれてしまったと考えられる。
6.考察課題
6-1.入力波形と出力波形が逆になっている、その理由を説明せよ。
入力波形と出力波形が逆になっている原因は、ソース接地回路であることだと考えられる。なので、簡単なソース接地回路を用いて説明していく。ソース電極を設置して、ゲート・ソース間に一定電圧Vgs1と、微小電圧±⊿Vgsを印加し、電源とドレイン電極間に負荷抵抗を接続したnチャンネルのMOSFETの回路を作る。図29にnチャンネルのMOSFETを示す。
キルヒホッフの法則とオームの法則より、抵抗RDに流れる電流は、
i_L=(V_DD-v_out)/R_D =i_ds1±〖Δi〗_ds
voutに関して、式を変形すると
〖R_D i〗_L=V_DD-v_out
v_out=V_DD-〖R_D i〗_L
iLをこの式に代入すると、
v_out=V_DD-R_D (i_ds1±〖Δi〗_ds)
v_out=V_DD-R_D i_ds1∓R_D 〖Δi〗_ds
v_out=(V_DD-R_D i_ds1)∓R_D 〖Δi〗_ds
V_1=V_DD-R_D i_ds1 とすると、
v_out=V_1∓R_D 〖Δi〗_ds
入力電圧をvinとすると、
v_in=V_gs1∓〖ΔV〗_gs
このvinとvoutを比較してみると、符号が反転していることがわかる。
以上のことから、入力波形と出力波形が逆になっている原因は、ソース接地回路を用いたからと考えられる。
6-2. バイパスコンデンサを入れるとなぜ増幅率が増大するのかを説明せよ。[10]
バイパスコンデンサを入れると増幅率が増大するのは、バイパスコンデンサの能力のおかげだと考えられる。バイパスコンデンサとは、ノイズなどの交流成分を交流成分と直流成分の混じった電圧から取り出すことができるコンデンサであり、別名デカップリングコンデンサとも呼ばれる。このコンデンサが、抵抗RSに並列に接続しているのが、図4を見ると読み取ることができる。このため、抵抗RSに流れる交流成分の電圧がバイパスコンデンサに流れることがわかる。このため、抵抗RSには、直流電圧しか流れないようになる。これは、図13、14からも読み取ることができる。バイパスコンデンサがない時の増幅率を見てみる。この時、交流の入力電位と出力電位を∆v_i、∆v_0とすると、
A_v=(∆v_0)/(∆v_i )=-R_d/R_s
と表される。交流電圧は、抵抗RSに流れないので、入力電圧が小さな0に近い値になると考えられる。そのため、バイパスコンデンサを入れると増幅率が増大すると考えられる。
6-3.本回路では、入力振幅が大きすぎると出力が飽和する。付録B(3)を参考に、この飽和はなぜ起こるのかを考察せよ。[11]
図30、31、32、33にMOSFETの負荷線とひずんだ出力電圧、飽和していないときの出力波形と負の部分が飽和した時の出力波形を示す。
出力電圧が、正弦波状に変化できるのは、正弦波の最大の電圧が、VDD/2以下の時に限られる。飽和していないときには、動作点がVDD/2に動作点があり、図32のような波形が出る。しかし、ドレインソース電圧が大きくなることで、図30の動作点が負荷線の中点から外れるて右下方向に移動する。小信号回路の時には、負荷線とドレイン電流の変化の交点上に移動するので右下の交点に移動する。そうすることで。図33みたいに出力電圧の下半分が飽和してしまう。このような関係が図31に示されている。また、入力振幅を大きくしすぎて、出力電圧が、増幅することができる値を超えてしまうことによって正方向も負の方向にもひずみが発生するような波形が生まれてしまうと考えられる。
6-4.本回路におけるキャパシタC3、C4の機能的役割について説明せよ。[12]
キャパシタC3、C4は、デカップリングコンデンサとしての役割を果たしていると考えられる。これが機能するのは、このキャパシタの隣にさらに接続される場合だと考えられる。VDDが、15[V]で一定であると決まっているのに、電源の内部抵抗が、大きい時には交流成分の影響を受けて変化するドレイン電流による電圧降下によってVDDにおおきな変化が生じてしまう、そうすると、直流電源としての一定の電圧が流れるという意味がなくなり正確な値が測定できなくなる。そのため、ドレイン電流の変化で電源電圧が変化したら、キャパシタがその変化を吸収することで平滑化すると考えられる。そうすることで、他の回路に接続した際に直流電圧を流すことができる。また、キャパシタC3、C4は、容量の値が違うがなぜ違うかも考えてみる。カットオフ周波数は、f=1/2πCRで表すことができる。抵抗Rの値を1[Ω]とすると、
C3の時、キャパシタは、0.1×10-6[F]なので、
f=1/2πCR=1/(2π×0.1×10^(-6) )≒1591549≒1.6×10^6 [Hz]
C4の時、キャパシタは、10×10-6[F]なので、
f=1/2πCR=1/(2π×10×10^(-6) )≒15915≒1.6×10^4 [Hz]
このことから、C3は、高周波の波形を平滑化、C4は、低周波の周波数を平滑化すると考えられる。
以上のことから、ノイズの軽減と電源電圧の電圧の変化の防止がキャパシタC3、C4の役割であり、平滑化する際には、それぞれのキャパシタでC3は、高周波の波形を、C4は、低周波の周波数を平滑化すると考えられる。
7.参考文献
[1] "feldeffct transstor", 理化学英和辞典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-11-23)
[2] 高木茂考:EE Text アナログ電子回路,p25-28,オーム社,2020年,第1版第5刷.
[3] アイアール技術者教育研究所(2021年4月22日), 「3分でわかる技術の超キホン FET(電界効果トランジスタ)とは?原理・特徴・用途の要点解説」,<https://engineer-education.com/field-effect-transistor/#1FET> 2021年11月30日参照.
[4] 高木茂考:EE Text アナログ電子回路,p29-32,オーム社,2020年,第1版第5刷.
[5] Aki塾長(2020年3月15日), 「初心者向け電験三種・理論・23・FET・MOSFET【超簡単に学ぶ!】第三種電気主任技術者」<https://www.youtube.com/watch?v=ppBqINRuVA8>2021年11月30日参照.
[6] marutsu,「MOSFET」<https://www.marutsu.co.jp/contents/shop/marutsu/mame/56.html>2021年11月30日参照.
[7] 株式会社エヌエフ回路設計ブロック,「入力結合」,<https://www.nfcorp.co.jp/techinfo/dictionary/019/>2021年11月30日参照.
[8] niEnginieerAmbitiously(2019年12月11日),「ACカプリングおよびDCカプリングとは何ですか?」,<https://knowledge.ni.com/KnowledgeArticleDetails?id=kA00Z0000019O6oSAE&l=ja-JP>2021年11月30日参照.
[9] ALLDATASHEET.JP,「2SK369 データシート (PDF) - Toshiba Semiconductor」,p2,<2SK369 pdf, 2SK369 description, 2SK369 datasheets, 2SK369 view ::: ALLDATASHEET :::>2021年12月1日参照
[10] TDK Worldwide、「第3回 電子回路の隠れた主役 コンデンサの機能(2)「直流を通さず交流を通す」」,< 電子回路の隠れた主役 コンデンサの機能(2)「直流を通さず交流を通す」|コンデンサの種類や役割がわかる5つの記事 | コンデンサ・ワールド|TDK Techno Magazine>2021年12月4日参照
[11] 高木茂考:EE Text アナログ電子回路,p48,オーム社,2020年,第1版第5刷.
[12] 教えてgoo、「増幅回路内のコンデンサの役割」、<増幅回路内のコンデンサの役割 -電気を学び始めたばかりの初心者です。- 工学 | 教えて!goo>2021年12月10日参照.
終わりに
参考になれば幸いです。
*1:149.8+10.01)×10^3 )×14.93=0.93516≒0.9352[V]
ゲートソース電圧は、
V_gs=V_g-V_s=0.9531-1.36≒-0.42[V]
実験値のソース電流は、
I_s=V_s/R_s =(V_g-V_gs)/R_s =(0.93516-(-0.42
初めてのレポートで困っている人にオススメ ~理系大学生のレポートの書き方~
始めに
工学部等の理系の大学に進んだ人は、早いところでは1年生からレポートを書き始めます。私は、初めてレポートを書いた時に知っている先輩や友達がいなかったので、一人で書くことになりました。その際に、書き方がわからず困ってしまったことがあります。なので、そんな人のために簡単に紹介したいと思います。
レポートは何で書く?
レポートは、実施する講義によりますが2種類に分けられます。
1.手書きで書く
2.wordで書く
これらの種類別の方法を紹介します。
手書きで書く
この場合は、持ち物として、筆記用具とレポート用紙を用います。
筆記用具は、鉛筆やシャープペンシルを用います。
レポート用紙は、主にA4版を用いました。このレポート用紙の大きさは、講義で違うことがあるので確認する必要があります。
レポート用紙の例を出すと、
と以上のようなものがあります。基本は、大学の生協に売っているのでそこで購入をすればいいです。
wordで書く
講義によっては、wordを直ぐ使う場合もあります。Windowsを使用する場合は、
wordがダウンロードされている場合が多いです。Macだとダウンロードされていない場合があるらしいので事前にダウンロードされているのかの注意が必要です。
wordと手書きどっちが楽?
基本的には
word >手書き
となっているので、両方選択可能であったらwordの方をおすすめします。
レポートの構成は、どうなっているの?
レポートの構成は、主に
①実験題名、氏名
②実験目的
③原理
④実験実施方法
⑤実験結果
⑥考察
⑦考察課題
⑧参考文献
となっています。それぞれの題目を説明します。
実験題名、氏名
ここでは、実験を実施する題名や氏名を書きます。
ここで注意する点として、氏名の所に学生記番号を書く必要があります。
何故学籍番号に注意しなければいけないかというと、共同実験者の学籍番号も書く必要がある時があります。
この場合にLINE等の交換をしていないと、どっかから学生記番号と名前が書いてある用紙を探したり、メールでのやり取りになってしまうのでめんどくさいです。
なので、名前を聞く際に学籍番号は何番なのか聞いておくようにしましょう。
実験目的
この実験目的は、基本実験内容が書いてある用紙をある程度移せばいいです。ただし、丸ごと移すのではなく、接続詞や順番、名前等を変えたり、省略することに気を付けてください。
講義によっては、実験結果や考察と連動させて多く書く必要があるので、説明や講義で出されるレポートの書き方を確認しておきましょう。
原理
これは、主に実験で用いられる原理を書けばよいです。例を2つ挙げると、1つ目は、実験でJ-FETやMOS-FET等のトランジスタを用いるなら、どのような特性を持っているのか?やその特性がどのように発揮されているのかを教科書やネット等で調べて、記載すればいいです。
もう一つ上げると、どのような計算式を使っているのかを書けばいいです。例えば、抵抗を用いたら、オームの法則を示す等です。
この2つを取り上げましたが、実験で使用した法則は何なのか?どんな原理によって器具が動くのか?等のことをできるだけ書けばいいです。めんどくさいという人は、何個かを取り上げて全体から見て、量が少ないと思われなければ大丈夫です。
実験実施方法
これは、実験を実施する際の教科書や説明用紙を言葉を変えて移せばいいです。
ただし、丸ごと移すと教授にばれるので、丸ごとは移さないでください。
私がやっていた方法は2つあり、
1つ目は、
①説明
②説明
というように、番号順で分けて書く方法です。
2つ目は、
ビーカーに水を入れて、過熱する。そして、沸騰したら、塩を〇[g]入れる。
というように箇条書きで書きます。
この2つで、どっちがいいかと言われると、2つ目の方がいいらしいです。
心配なら、どうすればいいかを教授に聞けばいいです。
※グラム等の単位は[ ]の中に入れるらしいです。
実験結果
実験結果は、実験した際にノートを取った結果を移せばよいです。
この際に、注意して欲しいのは、実験結果を適当にとってしまうと、移すときに何が何だか分からなくなってしまうので、丁寧にグラフや字を書く方がよいです。
おすすめは、A4のノートを使えば大きく書けたり、グラフを貼りやすいです。
このようなものは、生協に行けば打っています。
考察
考察は、教科書や配布された説明書に結果からどのようなことを考察すればいいかが書いてあります。書いてない場合は、結果から考察を考えなければいけません。
1つ粘液性についての例を挙げます。
粘液性は、測った液体のほかにもいろいろなものがあります。例えば、油やカルピスの原液、熱されて液体になった鉄などがあります。
この際には、企業のデータや論文の結果をもとに考察したりします。
おすすめの考察方法は、身近な物に実験で使ったり、関係している物はないかなと探してみると案外はかどったりします。
考察課題
考察課題は、出るときと出ないときがあります。考察課題は、案外難しいので、図書館に行くことをお勧めします。図書館には、関係した書物がたくさんあるので、インターネットで探すよりも労力なく終わらせることができます。
参考文献
参考文献は、原理や考察で引用した書籍やホームページを書く必要があります。
書籍の参考文献の書き方の例を挙げると、
まず、参考文献に [数字]著者:教科書名,ページ数,印刷会社,発行年度,第〇版大〇刷.
を書けばいいです。そして、引用した部分の右上に[数字]を書けばいいです。
わからない場合は、図書館にレポートの書き方があるので借りてみた方がいいです。
まとめ
このレポートの書き方が参考になればいいです。
おすすめする方法としては、図書館に行ってレポートの書き方の本を借りるが一番楽だと思うので、是非借りてみてください。
全波整流回路と半波整流回路のリップル率
大学で学んだ全波整流回路と半波整流回路のリップル率の計算方法に紹介します。
・リップル率とは
リップル*1率とは、入力された波と整流された波が接触する最大と最小の値の平均値をとったものである。リップル率をγとすると、
と以上のような計算式で表すことができる。
※リップル率の実効値は、出力電圧の実効値の交流成分なので注意が必要である。
・リップル率を求めるには
リップル率を求めるには、上記の計算式とそれぞれ実効値と平均値を求める必要がある。これらの値を周期と波形の最大値で積分を行って、代入することで計算することができる。
以上のことから、リップル率を求める方法がわかったので、これから全波整流回路と半波整流回路のリップル率を求めていく。
・半波整流回路
まずは、図1に半波整流回路の予想図を図1として示す。
リップル率γは、
と表せられるのでまずは、出力電圧の平均値 V1 を求めていく。
次に、出力電圧の実効値 V2 を求める。
次に、実効値の交流成分 V3 を求める。
直流成分の実効値は、変動がない出力電圧の平均値と同じと考えられる。これらの関係を表すと、
と表すことができるので、交流成分の実効値を求めると、
従って、半波整流回路のリップル率は、
このことから、半波整流回路のリップル率は、121[%]である。
・全波整流回路
まずは、図2に全波整流回路の予想図を示す。
リップル率γは、
と表せられるのでまずは、出力電圧の平均値 V1 を求める。
次に、出力電圧の実効値 V2 を求める。
全波整流回路と同様に、実効値の交流成分 V3 を求める。
このことから、全波整流回路のリップル率は、48.3[%]である。
・まとめ
半波整流回路のリップル率 121[%]
全パ整流回路のリップル率 48.3[%]
・最後に
上記の値は、全波整流回路と半波整流回路のリップル率の理論値である。実際に実験をやってみると値が近くなることがわかる。しかし、コンデンサ入力形平滑回路等の回路になってしまうと、リップル率を求めるのには複雑な計算が必要なので根気がある人は挑戦してみて欲しい。(筆者は、複雑な回路のリップル率は求められませんでした。)
大学 物理学実験 交流周波数の測定
交流周波数の測定
交流周波数の測定において、疑問があったこと実験をしてどうだったかを考える。
・銅線を一弦琴と分銅受け皿にどのように巻き付けるのか
一弦琴と分銅受け皿には、海賊の右手についているフックのようなものがついてある。
このフックに、分銅を乗せた時外れないくらいのきつさで何回か巻き付けることで実験の準備をできる。
・弦の原振動(固有振動が1の時)は、どのように確認すればよいのか?
分銅と分銅受け皿の総質量が、大体180g~190gにしたら弦の原振動になった。大体指定した質量になれば、そんなに慎重になる必要はなかった。
・どのようにして、2倍振動、3倍振動にするのか?
分銅と分銅受け皿の総質量に対した重力によって生まれた張力T
T=(M+M_0)g M:分銅の質量
M_0:分銅受け皿
g:重力加速度
で表される。
このTを1/4倍した時、2倍振動、1/9倍した時、3倍振動が生まれる。
そのため、総質量を4か9で割って出た値に対して、分銅受け皿の質量を引くことで分銅皿にのせるべき分銅の質量がわかる。
2倍振動の時
M_2=(M_1+M_0)/4-M_0 M_1:原振動の時の分銅の質量
M_2:2倍振動の時の分銅の質量
M_0:分銅受け皿
3倍振動の時
M_3=(M_1+M_0)/9-M_0 M_1:原振動の時の分銅の質量
M_3:2倍振動の時の分銅の質量
M_0:分銅受け皿
上記のように計算して、分銅の質量を変えれば、2倍振動、3倍振動にすることができる。